悲しい歴史と恐ろしい伝説が残る、会津33観音・21番左下り(さくだり)のお堂。
その昔、冤罪で首を切られた人の首を入れた風呂敷を開けてみたら、観音様の首だったという歴史があり、このお堂の観音様は、「くびなし観音」と言われています。
その姿を見たら目が悪くなるとも伝えられています。
事前に情報を知ってしまった私は、18番の滝澤同様、完全にびびっている上に、これまた山奥のため、伝説と熊に怯えて進むことができません。
一度は途中まで行ったものの、引き返すという根性なしです。
「こんな時、観音講が居たらなぁ」と泣き言を言っても、誰も助けてはくれないのです。
と、思ったら助っ人が!!
山の麓にある工場関係者の「後藤さん」です。
熊が出ないか聞いた工場の社長が、「後藤くん、付き添ってやれ」とお声掛けしてくれて、初対面の後藤さんと山奥の観音堂へと向かいました。
数十分の観音講(観音講=観音めぐりする仲間)、後藤さんとはこれまでの人生やこれからの夢なども語り、「観音講には絆が生まれる」と聞いた意味がわかりました。
たどり着いた左下りのお堂は、岩壁にあり、磐梯山や飯豊連峰が一望できる素晴らしい景観の中にあります。
こわい時、心配な時に助けられたことで、恐ろしいはずだった景色が、美しく見えていました。