奥深き技 | 旅する書道家 Simple life☆style

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書道家 千葉清藍(ちばせいらん)のシンプルライフをつづります

「コウゾ」という和紙の原料を取りに行った前回。

和紙の原料・コウゾ取り

 

今回は、コウゾを煮て、表皮を剥がす作業におじゃましました。

薪に火をつけるところからはじめましたが、この時点で「目がイタいです!目を開けられません!!」と弱音を吐く私。


しかし、ご年配の職人さんたちは、私の戯言など気にもしない様子で、黙々と作業に専念されています。自然や人を受け入れ、ペースが変わらない、影響されない時間の流れが、この町と人の素晴らしさです。

 

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福島県中田町海老根地区に伝わる窯。

素晴らしい窯なのですが、手前で薪に火をつけてしまうと、煙も手前に出てしまい、私のようなことになります。

 

職人さんの火おこしは、窯の中の空間を有効に使い、奥の煙突からうまく煙を出します。

 

コウゾを蒸して、表皮を剥がす作業も、職人さんが剥がした表皮は、裂けることなく職人技。

一方、私が剥がした表皮は、裂けて失敗。

写真(下)で見比べると一目瞭然ですが、私のように表皮をバナナ剥きのようにしてしまうと、次の工程で「黒い部分だけを削ぐ」ことが出来ません。

 

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奥深き伝統の技を感じ、書に対しても長い道のりを焦らず、技を磨いていきたいと、目をこすりながら思うのでした。

 

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