春、樹齢1000年の三春滝桜で復興と鎮魂の思いを込めて、再スタートした書道の旅。
8月に全市町村を巡り終え、季節は秋になりました。一つの締めくくりとして訪れたのは、喜多方市にある新宮熊野神社の長床です。
ここには、樹齢800年、幹周り8m、高さ37mの大イチョウがこの時期黄色く染まり、落ちたイチョウはじゅうたんになります。時折、はらはらと風に身をゆだねて落ちていくイチョウは美しく、澄み渡る静かな時間の中で筆を手にしました。
昨年5月から始まった福島県全59市町村書道の旅は、途中に大きな震災が起き、旅で出会った人、文化、自然について考えることが多く、それは今日の課題でもあります。
ちっぽけな私ですが、そんなこともすべてお見通しかのように雄大なイチョウに見守られ、締めくくりの書を書かせていただきました。
福島の空は澄んだ空であってほしい、
大地の恵みをそのまま受け入れ、
尊い命がいつまでも尊いものでありますように、
今日という日は、通過点でしかないと感じる長床での書道でした。
この作品については後日、改めて発表させていただきます。