おおさか維新の会が、教育無償化のために憲法を改正するとしています。教育無償化を憲法で規定し、国に予算措置と立法を義務付けるとしています。
教育無償化へ向けて「本気」度を示しているようですが、果たして教育を無償化するのに憲法改正が必要なのでしょうか。
「教育無償化を完全実施するなら憲法で無償化を規定しなければできない」と同党の松井代表がネット党首討論で語っていましたが、意識的な誤解があるようです。
すべての教育無償化は、憲法を変えなくても現行憲法の下でできます。憲法には教育を受ける権利が明記されています。それに基づき、国が法律を作り予算措置すればできます。地方自治体の独自の判断でもできます。憲法が、義務教育以外の教育の無償化を禁止しているわけではありません。
民主党政権時代には、公立高校の授業料無償化を実現しました。それが安倍政権になって、高校授業料無償化を廃止しました。そのとき、自公とともに無償化廃止に賛成したのが、大阪維新の会の前身の日本維新の会です。
高校無償化措置を廃止しておいて、無償化のために憲法を変えるというのは、身勝手もはなはだしい。
憲法を変えて教育を無償化するということは、憲法を変えられるまでは教育無償化はしないということの裏返しです。
そもそも、安倍首相はじめ改憲を唱える政治家は、憲法や立憲主義の何たるかを分かっていません。憲法を一般の法律よりも一段高いレベルの法律とぐらいにしか考えていないようです。根本的に認識が間違っています。
法律というのは国民や企業が守るべきルールを定めたものです。それに対して憲法は国家権力が守るべきことを定めたものです。それが立憲主義です。
憲法と法律は、全く異なります。そこを分かっていないから、憲法には国民の義務が少ないから、もっと書き込むべきだなどと言うような見当違いの議論を国会でするのです。
そんな勢力が多数を占める国会で憲法を変えるような事態になっては、憲法が憲法でなくなってしまいます。
安倍政権の下で、集団的自衛権行使を認める閣議決定と安保法制が強行され、法律上、日本が海外で戦争できる国にされました。
しかし、これは、従来の自民党政権の憲法解釈からしても違憲状態となっています。ところが、今の自民党や公明党の中には、そのことに異を唱える議員がいません。
自民党の改憲草案には、9条2項が削除され、国防軍の設置が盛り込まれています。憲法上も日本が海外で戦争する国につくりかえようとしています。そのために国民に様々な義務を課すことを憲法に書き込もうとしています。
そんなことを許してはいけません。だからこそ、いま多くの国民と野党が一緒になって憲法を守り、立憲主義を取り戻そうと立ち上がっています。
維新の会の教育無償化のために憲法を変えるというのは、そういう勢力に手を貸すことに他なりません。
