「白夜の誓い~グスタフⅢ世~」感想 | せいらのブログ

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宝塚歌劇団 元雪組トップスター音月桂さんを応援しています。
桂ちゃんのこと、一緒にお話しませんか(o^・^o)

凰稀かなめさんのサヨナラ公演。

「銀河英雄伝説」でお披露目したのがついこの間のような気がするのですが…もう退団なんて、早くない?

「モンテ・クリスト伯」も面白かったのに。

「ベルサイユのばら~オスカル編~」って、今年じゃなかった?



驚くくらい細身のりかさん(テルって呼ばれかた、お好きではなかったでしたよね?)。

癖のない歌いかたも、コスチュームプレイの似合う容姿も、大好きなトップさんでした。



そんな凰稀さんの宝塚最後の作品は、やっぱり彼女に似合う、宮廷物。
豪華な衣装も、長い金髪も、今の宝塚では右に出る者ないと言って過言ではないほど美しくお似合いでした。




さて作品ですが、宝塚の歴史物は必ず虚実織り混ぜて、「宝塚らしく」作られています。
そして、分かりやすくて、主人公がかっこいい。

そんな王道から外れない、私は好きな作品でした。



実在の側近、ヤコブ(緒月遠麻)との哀しいまでの愛憎。

史実では不仲だったとされる、王妃ソフィア(実咲凜音)との愛。

実在の愛人エグモント夫人(伶美うらら)も、まあなんて良い人。

実は「エリザベート」のゾフィ皇太后並みだったとされる母后(美風舞良)は影もなくおとなしく、敵対する大臣(寿つかさ)は分かりやすい悪い人(笑)




これがもし一本物だったら、もっと人間関係が描き込まれたんでしょうけれど、これでも十分「だから、グスタフⅢ世ってスウェーデン国民にとって大切な王様なんだなぁ~」って分かります。

だって、スウェーデンって今も「スウェーデン王国」なんですよ!

あの、ヨーロッパやロシアの王国がバタバタと革命に散った時代にあって、グスタフⅢ世の掲げた『絶対君主制』を今も守り抜いてる国。
きっと良い王様だったんだよね、って思います。



だからこそ…


せっかくなら、宝塚ファンにとって一番有名な彼を、せめて名前だけでも登場させて欲しかったなぁ…。


そう、彼の名は「ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン伯爵」


宝塚のベルばらでも、バージョンによっては登場するグスタフⅢ世。

もともとフェルゼンは、グスタフⅢ世の命令でフランスに滞在していたと言われています。


フランス革命政府に捕らえられたアントワネット達を救い出すよう、フェルゼン伯爵に指令を出したのは、実はこのグスタフⅢ世なんです。


そしてそして、宝塚ではついぞ描かれなかった「ヴァレンヌ事件」を影で支援していたのも、このグスタフⅢ世に他なりません。


つまり、絶対君主制主義でロココかぶれ?の王様は、フランス王家の没落を全力で阻止しようとしてくれたのですよ。
バスティーユでは軍隊まで出してね。




なので、前回の雪組公演の「ベルサイユのばら~フェルゼン編~」では、アントワネットを救おうとしたことでスウェーデンの国賊扱いになっていたフェルゼンに、私個人的には大きな疑問もありましたけどね   ┐('~`;)┌

まっ、いいか  (笑)





話が逸れましたが…


そんな王様のグスタフⅢ世を、凰稀かなめさんが美しく、優雅に、かっこよく演じておられます。

そして何より、づっくんヤコブとのやり取りは秀逸で、涙を誘います。

みりおん王妃も、ビジュアルも歌もとても美しいです。


そして、次期トップの朝夏まなとさんは、揺れ動く気持ちを微細に表現されています。



なんと言っても、ラストシーンが…  ((T_T))  です。

ぜひ、ご覧になってみて下さい(`ー´ゞ-☆