小田急ブックメイツ新百合ヶ丘店の狩野さんと最初にお会いしたのは、神奈川本大賞応援会という集まりでした。
調べたら第一回神奈川本大賞の発表が2014年の秋なので、応援会は2013年の末か2014年初頭ぐらいじゃないかな。
顔見知りの書店員さんからSNSで招待状をいただき、僕もちょうど横浜消防を舞台にした小説を出した直後だったので、「なぬ? 神奈川本大賞だと!? それって僕の作品のためにある賞じゃないの!?」ぐらいの勢いでいそいそと出かけていったのです。
でもいざ会場でいろんな人に挨拶してみると、僕が横浜を舞台にした小説を書いているどころか、僕の名前すらほとんど知られていませんでした。
書店員さんにも僕のことを知っている人はほとんどいなくて、「え。じゃあ横浜を舞台にした僕の小説はどうやって売れるんだ!?」と目の前が真っ暗になったのです。
そんな状況だったから、まさか第二回で神奈川本大賞をいただけるとは思いませんでしたけど。
とにかくそのときはがっかりして、でもせっかく来たのだから少しでも僕の名前を知ってもらって帰ろうと、お開きになった会場に居座り、まばらに残る人たちに名刺を配り歩いていたのでした。
そのときに名刺を交換したのが、狩野さんでした。
名刺を渡した瞬間に、「お店に遊びに来てくださいよ」と言っていただいたのをとてもよく覚えています。
当時の狩野さんが僕のことを知っていたのかどうかは定かでありませんが、あまりにフランクで少し意表を突かれました。
というのも、作家を店に呼ぶということはその作家の本を入荷してそれなりに売場の見栄えをよくしておくということなので、無名の作家にたいしてそんなふうに言ってくれる書店さんは少ないのです。
あれから本当にお世話になりっぱなしです。
そんな小田急ブックメイツ新百合ヶ丘店が、3月10日をもって閉店することになりました。
閉店までに少しでも店頭在庫を減らすために、またお店への恩返しのために、店頭でサインしながら自分の本を手売りしたらおもしろいかなーと思い立って参加希望者を募ってみたら、とんでもない豪華メンバーが集まってしまいました。
すごくないですか?
いま現在本屋大賞にノミネート中の作家が二人もいるんですよ?
次々と作家さんが名乗りをあげてきて、やっぱり愛されるお店だったんだなあと実感しました。
3月5日(月)15時からです。
お時間ある人は遊びに来てください。
これだけの作家に一度に会える機会はたぶんもう二度とないと思うので、お時間ない人もお時間作ってきたほうがいいかもね。
ちなみに上のポスターは額賀澪さん作です。
メンバーが増えるたびに何度も作り直してくれました。
額賀さんどうもありがとう!