第2回神奈川本大賞受賞作『白バイガール』続編

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田山さんは生まれてこの方、一度もけん玉をやったことがないのだろうか?

ナレーションの小日向文世さんも「へたくそすぎ!www」と突っ込んでいたけれど、いくらへたくそでも、まったく皿に乗せる気がなさそうなあのやり方はないと思うのです。

 

「あたしね、やったことないんですよ、けん玉」

 

「成功する必要はないんです。童心に返ってけん玉で遊ぶ田山さんの画が欲しいだけですから、かたちだけでもお願いします!」

 

「そうですか? そうおっしゃるなら……」

 

「すみません。よろしくお願いします。それではよーい、スタート!」

 

その後けん玉にチャレンジする田山さんの姿にスタッフ絶句。

などという感じだったのかなあと想像をめぐらせるのも、『ぶらり』ウォッチャーの楽しみの一つであります。

というわけでこんにちは。

久しぶりに更新して次の更新は来月ぐらいだろうかと思っていたら間髪入れずに更新して意表を突くマンです。

お察しの通り血液型はムラッ気たっぷりなB型です。

たんなる気まぐれというのもありますが、いまちょっと原稿が落ち着いているので少しだけ気持ちに余裕があります。

そして『ぶらり』で見た田山さんのけん玉シーンの衝撃を皆さんに伝えたいという意味不明の使命感に突き動かされ、ブラウザを開くに至りました。

 

今回はとくに告知するような話題もないので、前々回に書いたブログの内容を少し掘り下げてみましょうかね。

 

「売れる売れないを左右する要素は『運』なのか?」という感じのテーマでしたっけ。

 

バカヤロ! 内容がいいものが売れてるに決まってるだろ!

という人には、大ベストセラーになっているあの本を読んでも同じことが言えるのかと言いたい!

本を読むだけで180度開脚できるなら世話ねーよ!

相撲部屋の新弟子なんか泣きながら股割りしてんだぞ!(こらこらこらこら)

 

僕が今年で上京20年目というのは、前々回も書いた通りでございます。

ミュージシャンを志して23歳で上京し、音楽専門学校に通いながら新聞奨学生として新聞販売店に住み込んで働いていました。

ただミュージシャンを志すとはいっても本気でプロになれるとは思っていなくて、どちらかといえば東京のレベルの高さやプロの技術のすごさを体感して、ずるずると続くモラトリアムに区切りをつけたいというぐらいの心持ちだったことも、すでに書いた通りです。

そういう半端な覚悟だったとはいえ、半端な努力で余力を残していては「おれはまだ本気を出していないだけ」状態になって素直に負けを認められないだろうからと、けっこう必死で動きました。

どうせ東京に知り合いはほとんどいないのだし、旅の恥はかき捨てではないですけど。

 

上京して二か月後にリハーサルスタジオのメン募チラシで出会ったメンバーとサラブレンドというバンドを組んで、ほどなくライブ活動を開始しました。

いつまでもうじうじ言い訳して動き出さなかったことが馬鹿らしくなるほど、思い切って動いてみると、自分の周囲でいろんなことが転がり始めました。

ただ、前に進んでいる充実感はあれど、どうやったらプロになれるのかは相変わらずよくわかりません。

集団の中で自分たちはどのあたりに位置しているのか、のぼっているのかくだっているのか、客観的に把握するのはとても難しいことです。

なので業界の人に会うたびに、どうすればいいのか、自分たちにはなにが足りないのかを質問していました。

 

某レコーディングスタジオのエンジニアさんだったと思います。

レコーディングした曲のミックスダウンを終えて、軽い雑談の中で僕は質問しました。

 

「僕らはプロになれますかね?」

 

レコーディングに付き合ってくれたので僕らの曲を知っていたし、たしかけっこう有名なミュージシャンのレコーディングにも参加している人だという話だったので、一流のプロと比べての客観的な評価が欲しかったのです。

レーベルも主宰しているらしかったので、所属させてくれないかなという色気もあったと思います。

するとそのエンジニアさんは質問に質問で応えました。

 

「逆に、どういう人間がプロになれると思う?」

 

僕には答えられません。

わからないから質問しているのです。

 

「自分の見せ方をわかっている人間だよ。レコーディングを担当したミュージシャンの中にはとんでもないド下手もいたし、技術的にはプロのレベルに達してなくて影武者を立てなければならない人間もいた。そういう連中と比べると、きみらもうはプロになっていてもおかしくない。だけど連中は、自分の商品価値をわかっている。喋りが上手いとか、バンドの人間関係を保つのに不可欠な明るい性格だとか、たんに顔が良いというだけでもいい。バンドの中でしっかり自分の居場所と存在意義を作っている。技術は必須じゃない。練習してれば嫌でも上手くなるから」

 

技術がプロのレベルに達しているかどうかばかりを気にしていた僕にとって、目から鱗が落ちるような発言でした。

たしかに通っていた音楽専門学校にはとてつもなく上手いプレーヤーがいっぱいだけど、そのほとんどがプロとして飯を食えていないのです。

これはただ愚直に技術を磨くというのは、まったく異なるベクトルの努力が必要になるのかもしれない。

そして単純な技術の競争でなければ、技術に自信のない僕にも勝機がある!

 

と希望の光が見えたのでした。

技術のみを評価してもらえないという環境は、腕自慢だったら失望するかもしれないけど、そうじゃないから前向きに受け止められたというかね。

自分の見せ方をわかっているか?

という言葉は僕の胸にかなり深く刻まれていて、その後の僕の人生にけっこうな影響を与えています。

それはこのブログを読んでくださっている方にはよくおわかりですね。

 

ほかにも象徴的なエピソードがいくつかあるけど、それはまた気が向いたら。

 

さ と う 0103006