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と、いうわけでこちら↓

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熱烈大反響!! でございます。
そのうち表紙とかになって欲しいと思います。
どうもこんにちは、菁南です。

キャラクターの名前を付けるにあたって、ほかの作家さんはどうやってるのか知りませんが、僕は友達の名前とか、4コマにあるように近所の表札、あとはプロ野球選手の名前なんかを参考にしたりします。
プロ野球選手名鑑なんかを見ると、けっこう変わった苗字が多いんですよね。
アスリートには変わった苗字が多い気がするんですけど、なんか理由があるんでしょうか。

一番気を付けているのは、母音の響きが似てしまわないようにすることです。
これ単純に僕が頭よくないだけなのかもしれないけれど、小説を読んでいるときに母音の響きが似た名前がたくさん出てくると、途中でキャラクターの区別がつかなくなったりするんですよね。
『消防女子!!』のキャラクターを例に説明すると、

あ … 荒川  A-RA-KA-WA
い … 五十嵐 I-GA-RA-SI
う … 鵜久森 U-KU-MO-RI
え … 江草 E-GU-SA
お … 小野瀬 O-NO-SE

頭の音が印象を決定づけるので、どの母音から始めるのかを決めて、後に続く音でも“あいうえお”の母音をバランスよく使うことに気をつけています。
母音をばらけさせるのに気を配り過ぎて、「あ」行の母音から始まる名前だらけになってしまっていたということには、最近になって気づきました苦。
でもこれが佐藤と加藤と伊藤と尾藤と紀藤とかだったら、混乱すると思いません??

さらに声に出したときの音の数と、活字になったときの文字数がばらけるようにしています。
苗字の場合、だいたい音数が3か4、文字数にして2か3というのが、日本人の苗字としてはもっともポピュラーなんじゃないでしょうか。

ここでも先ほどのキャラクターを例に出すと、

荒川  … 音数4、文字数2
五十嵐 … 音数4、文字数3
鵜久森 … 音数4、文字数3
江草  … 音数3、文字数2
小野瀬 … 音数3、文字数3

という感じになります。
『消防女子!!』の主人公の名前は高柳蘭で、ヤナギランという花の名前に由来しています。
「じゃあなんで“柳”という苗字にしなかったんですか?」
と、担当編集者のKさんに訊かれたことがありますが、“柳蘭”という名前は普通に日本人としてありえるとしても、パッと見で人名として頭にすっと入ってこない感じがしたし、小説中には音数5の苗字が登場しないので、“柳蘭”の前に一文字加えたほうが据わりがいいと思ったんですね。
説明してもKさんにはぴんときていなかったみたいなので、もしかしたら僕の極私的なこだわりに留まっているのかもしれませんが。

前にバンドをやっていたときに、事務所から「バンド内に一人だけ見た目のアクセントがあるメンバーがいたほうが、宣材写真を見た人の頭に残りやすい」みたいなことをいわれて金髪にしたことがあるんですけど、いってみればその理屈の応用です。
違和感はフックとなって人の意識を引き付け、結果的にそれを含む集団全体が記憶に残りやすくなります。
たとえばポップソングを作るときなんかでも、サビにフックを与えるために“フレーズに音程差をつける”とか“リズム割りを変えてシンコペーションさせる”という常套手段が用いられますが、それと同じことです。
一人だけ5音の響きの名前がいたら、主人公として差別化できるんじゃないかと思ったわけですわ。
けっこうちゃんと考えてるでしょ。
実を結んでいるかどうかは別として。
自分の行動に明確な意図をもってロジックを組み立て、それが効果的に作用しているかを見極めることが大事なのです。
あとは、自分のロジックが間違っていると思ったら、さっさと引っ込めて軌道修正することかな。

あー、なんか久しぶりに創作論的なことを書いたな。
小説家みたいじゃん。



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