実録素人ドキュメント 私を作家にして下さい -佐藤菁南ブログ--「私を売れっ子作家にして下さい!!」ロゴ
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こんにちは。
東京に戻って来てから久しぶりにジョギングに出たら、全身がバッキバキの筋肉痛になりました。
菁南です。
これたぶんたんに休んでいただけじゃなく、旅行の二週間で体重が大幅に増加してしまったせいでしょうね。
福岡ではもつ鍋、とんこつラーメン、焼きラーメン、島原ではそうめん、長崎ではちゃんぽん、皿うどん、一口餃子、角煮まん、五島では五島うどんや五島牛などなど、地の物を食べまくってましたから。
そんな夢のような二週間も過ぎ、レトルトカレーを温めて食べるような現実にいまだ適応できずにいる昨今。
帰京する際に空港で購入した“長崎物語”をつまみながら、旅の思い出に浸っております。
前回帰省した折にも購入して持ち帰った、“博多の女(ひと)”と並ぶ子供のころからの大好物なのでありますが、いかんせんバウムクーヘンの中にクリームが入っているというお菓子では“長崎感”に欠けるだろうということで、自分用のものだけの購入に留まってしまいます。

さて、今回は前回よりもたくさん書店さんをまわれたし、DVDを流してもらう約束をいただけた書店さんもいくつかあったし、懐かしい人やはじめましての人にもたくさんお会いできて、なかなか有意義な旅になりました。
そんな旅の模様は今後の4コマでおいおいレポートしていくことができれば、きっと皆さんも楽しいだろうし、僕もネタ切れに困らないで済むので一石二鳥になるでしょう。

ちなみに今回の4コマまでは、帰省前に書き貯めておいたものです。
4コマ一話につき、下書きからペン入れまでだいたい一時間弱程度でできあがるのですが、その後スキャンして文字を入れて等々の作業がけっこうめんどくさいので、“今日は4コマ描く日!”と決めて、一日かけて4話から5話ぶんをまとめてネット上に仮アップしています。
一日頑張って作業しておけば、一週間に一話ペースで更新するとして、一か月近くはマンガ描く必要はないかなって感じ。
4コマの更新が滞っているときは、だいたい描き貯めておいたぶんを使い果たして、でも絵を描くのがめんどくさくて「あー描かなきゃなー描かなきゃなー」とうだうだしています。

4コマにもある通り、最近、念願のカメラを購入しまして。
キャノンのEOS 7Dという機種なんですが。
当初はビデオカメラを買おうかと思っていろいろ調べていたんだけど、最近ではどうやら動画のハイビジョン撮影ができる一眼レフが、自主映画を撮っている人たちに重用されているらしく、映画監督の大森一樹氏もEOS 7Dを使用して劇場公開映画を撮ったという事実を知って、これに決めました。
本当は帰省先に持って行って練習しようかと思っていたのだけど、せっかく買ったカメラを壊しちゃったら嫌だなということで今回は断念。
家の近所でパシャパシャやって遊んでます。

もともとは『サイレント・ヴォイス』のCM撮影時にハイクラスのカメラが調達できず、そんな変わらないだろうと思ってホームビデオで撮ってみたら『ある少女~』や『消防女子!!』との画質の差が歴然!!というわけでカメラを手もとに置いておきたいなと思ったのがきっかけなのですが。
せっかく買ったんだから新刊のCMだけじゃなく、ちゃんとストーリーのある映画みたいなものも撮ってみたいなと思ってます。

でも知識とか技術があるわけじゃないから、使い方がすんげ難しいの。
そもそも露光とか露出とかシャッタースピードとか、説明書に書いてある言葉の意味すらわからない。
暗中模索、試行錯誤しております。

だけどゼロからなにかを覚えるというのは楽しいですね。
楽器を始めたときとか、小説を書き始めたときを思い出します。
物事はある程度熟練してくると、初期衝動に基づく“楽しい”とは質が変わってきます。
だから“初心者”になるというのは、僕にとって人生を楽しむ上ですごく大事。
技術的には未熟でも、たぶん初心者の時期というのがなんにつけても一番楽しいときでしょう。
バンド組んで初めてステージで演奏したとか、生まれて初めて長編を一本書き上げたとか、あのカタルシスは一生に一度しか味わえないものです。
もちろん、レベルアップするにつれて相応の喜びというのはあるんでしょうが、たとえば初めて長編小説を書き上げて「このミス」大賞に応募した直後のような異常な達成感は、僕の人生ではもう二度と訪れないでしょう。

うおぉぉぉおおお!! 書けた!! 書けちゃった!!
原稿用紙400枚を埋めて、ちゃんとオチもつけることができた!!!!

みたいな。
丸二日寝ないで小説書き上げて、それをバイト先のコンビニから宅配便で送付してそのまま夜勤バイトに入って、冷蔵庫の中で作業しながら途中で寝たりしたけれどもすごい充実感があって、バイト明けの朝の空がやたらと青く広く見えた、みたいな。
今は仕事として当たり前に要求されていることが、当時は人生で初めての喜びでした。
それこそ受賞の報せを受けたとき以上に、アドレナリンが出まくりました。
でも人間は刺激に慣れる生き物なので、二度目三度目と応募するうちに、手応えを感じることはあっても、あの感覚は薄れていきました。
二作目を書き上げたときに、「あれ? 小説を書くって、こんな感じだったっけ? 一作目を書き上げたときにはめちゃめちゃ興奮したのに」と、どこか拍子抜けしたのを覚えています。
デビューというハードルを考えると、単純に“できた!”という事実で喜んでいるレベルではいけないのは当然なのですが、それでも少し寂しくなるのです。

こういうことを書いていると、「佐藤青南は小説書くのがいやになったのか」と誤解されるかもしれませんが、そうではありません。
まだまだこの業界でも僕の見ていない景色がたくさんあるし、できるならそれを見てみたいとも思います。
だけれども、それ「だけ」でも、つまんないよねー、世の中おもしろいこといっぱいあるしさー、とか考えちゃうのです。
それが僕の作家としてのツメの甘さみたいなものに繋がってるのかな?
なんてことも考えたりするけど、小説を書く行為を楽しみ続けるためにも、“世界を開き続ける”ことが必要なんですよね、少なくとも僕にとっては。
そもそもが小説家に憧れて憧れて、小説を書いてさえいられればそれで幸せ!! みたいなタイプの作家ではないし。
あまりに自分を追い込んでしまうと、楽しめるものも楽しめなくなってしまうし。
僕自身が楽しめていないと、読者を楽しませることなんてできないと思うし。
楽しんで仕事することが、編集さんへの礼儀だと思うし。

なんちゃって。

それでは僕が「カメラ買おう!」と思い立つきっかけとなった、CM群をあらためてご覧ください。
『サイレント・ヴォイス』も単体で見ると出来は悪くないんだけれど、続く『消防女子!!』『ある少女~』と比較すると画質が劣っているのがよくわかります。



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