実録素人ドキュメント 私を作家にして下さい -佐藤菁南ブログ--「私を売れっ子作家にして下さい!!」ロゴ
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なんか久しぶりに作家らしい4コマですね。
いつもここを読んでいただいている方の中には「こいつ映画ばっか観て、ぜんぜんなんも書いてねーじゃん!!典型的な一作で消えるパターンだな」とか思ってらっしゃる人もいるかと。
そんなあなたに

「僕は消えましぇん!!お金が欲しいからっ!!」

と懐かしの『101回目のプロポーズ』武田鉄也調に宣言しておきましょう。
(推奨環境:チャゲ&飛鳥の『SAY YES』をBGMに)

しっかし、101回もプロポーズするのは困難だと思いますよ?
たぶん10回もいかないうちに警察のお世話になるでしょうから。
あれ、あのドラマって同じ人に101回プロポーズする話じゃなかったんですっけ?
観てないからわかんないや。
同じ人に101回プロポーズするとなると、1クール12話として、一話につき平均8.4回のプロポーズが必要とされますね。
一話の放映時間はCMを除けば45分程度ですから、その中で8.4回のプロポーズをするとなると、およそ5分に一度はプロポーズシーンが流れることになります。

警察の監視の目をかいくぐりながら5分に一回プロポーズする武田鉄也。
これはもうラブストーリーというよりスパイアクションの赴きですね。
きっと変装して浅野温子に近づいたり、宅配便の荷物の中にもぐりこんで浅野温子に近づいたりするシーンもあるでしょう。

「ちわー、宅配便でーす」
浅野温子宅のインターフォンが鳴ったのは、午後3時のことだった。
本来なら仕事をしている時間だが、浅野温子は武田鉄也の常軌を逸したプロポーズ攻勢によりすっかり心を病み、家から出ることができなくなっていた。
眠たげな柔らかい陽光も、厚いカーテンに阻まれている。
窓を開けると武田鉄也が立っているのではないかという、妄執にとりつかれていたのだ。
実際に一度、そういうことがあった。

浅野温子はインターフォンの受話器を置くと、玄関に立ち、覗き窓から外を見た。
インターフォンの声は武田鉄也ではなかったが、まだ安心はできない。
ほかの人間にインターフォンのボタンを押させている可能性があるからだ。
そのときは油断して、扉を開いてしまった。
すると目の前に立っていたのは武田鉄也で、得意のハンガーヌンチャクを披露しながら、浅野温子にいつのもあの言葉を吐いたのだ。

結婚してください――と。

あのときの恐怖が甦り、浅野温子は自分を抱く。
警察に両脇を抱えられながら、武田鉄也は振り向いた。
「僕は死にましぇん」
と人懐こい笑顔を見せた。

武田鉄也のプロポーズは、着々と回数を重ねている。
今や三桁を越えた。
あの男は、完全に狂っているのだ。
何度警察に連行されても、多くの問題児を更正に導いてきた話術を駆使し、自由の身になってしまう。

魚眼レンズにはキャップをかぶった二人の男が、段ボール箱を抱えている。
顔まではよく見えないが細い顎で、武田鉄也でないことはわかった。
浅野温子はドアチェーンを外し、鍵を開ける。
「どこ置きますか?これちょっと重いんで、中までお運びしますよ」
扉を開くとすぐに、キャップをかぶったうちの一人が言った。

リビングまで段ボールを運んだ二人は、書類にサインをすると、元気な挨拶を残して去っていった。
部屋の真ん中に、大きな段ボール箱。
中身はいったい、なんだろう。
誰からの、荷物だろう。
浅野温子はおそるおそる、梱包を開く。

そしてガムテープを剥ぎ、蓋を開いたとき、浅野温子は声を失った。

そこには餓死した武田鉄也がいたのだった――。

……うん、斬新!!
ってしょうもないこと書いてないで、原稿書かなきゃ!!



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