次回4コマは10月26日(火)更新。
このミス大賞優秀賞受賞以来、外に出てたくさんの友人や、お世話になった人と会う機会が増えています。
僕はなんらかの結果を出すまではと結構意固地になって、いろんな人と疎遠になっていたりしたのですが、それでも久しぶりに会った皆さんが自分のことのように喜んでくれたり、本の売上げを伸ばすための様々なかたちでの支援を申し出てくれたりして、なんだか嬉しかったり申し訳なかったり……。
ほんと、持つべきものは友ですよね。
皆さん、どうもありがとうございます。
さて、4コマのネタにさせていただいたTさんのことです。
Tさんとは新聞販売店で知り合いました。
お金のなかった僕は、音楽の専門学校の学費を支給してもらうかわりに新聞販売店に住み込みで働くという、新聞奨学生という制度を利用して上京しました。
Tさんも同じ年に上京して、その新聞販売店に配属された新聞奨学生でした。
つまり、上京して出来た、ほとんど初めての友人ということになります。
彼も音楽の専門学校に通っていて、レコーディングエンジニアを目指していました。
新聞販売店を出てからも付き合いは続いて、僕が同棲していた彼女からアパートを叩き出され、家なき子(平たく言えばホームがレス)になった折には部屋に泊めてもらったり(笑)、本当にお世話になりっぱなしです。
その後彼は音楽の道を諦め、田舎に帰ってしまったのですが、小説に転向した僕のことを変わらず応援してくれていて、今年のこのミス大賞の一次選考の結果が発表になるとすぐさま連絡をくれました。
受賞決定後に報告をすると、Tさんは翌日には名古屋からお祝いに駆けつけてくれました。
待ち合わせ場所は銀座のアップルストア前。
銀座なんて、たまに映画を観に行く以外にはそれほど馴染みのない場所です。
Tさんと一緒に出掛けた記憶もありません。
なぜ銀座なのか?
という疑問が解けたのは、上記4コマのようなやりとりがあってからでした。
彼は銀座の有名な文房具店、伊東屋で、僕に十万円もする高級万年筆をプレゼントしてくれようとしていたのです。
とはいえ、僕にとってペンを使う機会といえばネタ帳に覚え書きをする程度、あとはこの4コマを描くぐらいですか。
さすがにそんな高価なものを受け取るわけにはいかないと、申し出を辞退させていただきました。
本が出版されたら買ってくれればそれでいいと。
Tさんは「それならばたくさん本を買って、知り合いに配りまくるよ」と言ってくれました。
言霊、というわけではありませんが、このところ僕はいろんな人からお祝いや喜びの言葉を掛けていただいて、それが僕自身の活力になっているような気がします。
正直なところ、優秀賞受賞の連絡をもらった時点では悔しさしかありませんでしたが(結果に納得がいかないというわけではありません。結果は僕の力への評価として、真摯に受け止めています)、周囲の人々の喜ぶ顔や言葉が、僕に喜びを与えてくれます。
しかしお祝いモードもそろそろひと段落。
皆さまの期待に応えられるように、そろそろ新作の執筆に本腰を入れていこうと思います。