両陛下は、5月20日、日赤の社長・副社長よりご進講をお受けになりました。その時の両陛下のご発言が宮内庁HPに掲載されていますので、以下、ご紹介します。
なお、4月10日の尾身副座長によるご進講の際のご発言も同HPに掲載されていますので、詳細はそちらをご覧ください。
https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/66#223
(天皇陛下)
今日はお忙しいところ時間をとっていただきありがとうございます。新型コロナウイルス感染症の発生以来,日本赤十字社の職員を始め多くの医療従事者の皆さんが,自らの感染の危険も顧みず,大勢の患者さんの命を救うため,また,感染の拡大を防ぐため,日夜,大変な尽力をされてきていることに深い敬意と感謝の気持ちを表します。日本赤十字社も,大塚社長以下,この間様々な困難に直面されてきたことと思います。
最近では,これまでの医療従事者の皆さんの献身的なご尽力と国民の協力により,国内の一定の地域で,事態の改善が認められています。国内で退院などをされた患者さんも一万人を超えたと聞いております。然しながら,このウイルスをめぐる困難な状況は今後も続くことが予想されます。
特に,医療物資が不足する中,医療に従事される皆さんには,大変なご苦労を重ねられてきていることと思います。また,このような状況が長期化する中,皆さんのお疲れもいかばかりかと案じていますし,心ない偏見に遭う方もおられると聞き心配しています。
これからも,私たち皆が,この感染症の克服に向けて,心を一つにして力を合わせ,困難な状況を乗り越えていくことが大切だと思います。
新型コロナウイルスと闘っている医療従事者の皆さんに,改めて心から感謝の意を表しますとともに,皆さんには,今後ともくれぐれも体に気をつけてお仕事を続けられるよう願っています。
(皇后陛下)
日本赤十字社の皆さんには,新型コロナウイルス感染症の発生以来,その対応のため,大変な毎日を過ごしてこられたことと思います。特に,医療現場で働かれる皆さんには,危険も伴う大変重い任務を担ってこられました。皆さんの懸命な医療活動は,多くの患者さんの命を救ってこられたものと思います。
これまで医療活動に献身的に力を尽くしてこられている方々,そして,その方々を支えられているご家族や周囲の方々に,陛下とご一緒に心からのお礼の気持ちをお伝えしたいと思います。
これからも,まだ厳しい状況が続くことが案じられます。日本赤十字社の皆さんを始め,医療に従事される皆さん方には,くれぐれもお体を大切にされながら,これからも多くの方の力になり,この大切なお務めを無事に果たしていかれますよう,心から願っております。