宮内庁長官に山本信一郎氏が就任 | 月刊誌『祖国と青年』応援ブログ

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 昨日付けで、風間典之氏が宮内庁長官を退任し、次長だった山本信一郎氏が長官に就任しました。そして、次長には西村泰彦内閣危機管理監が就任とのこと。

 

 宮内庁幹部の移動は春が通例で、風間氏の退任は事実上の「更迭」と言ってよいでしょう。直接の要因となったのは、8月8日の天皇陛下のお言葉であることはほぼ間違いありません。しかし、「お気持ち表明に関し、誰かが落とし前をつけないと駄目だ」「陛下が思いとどまるよう動くべきだった」などと政府関係者が語っていた、とメディアが報じているのは一面的でしょう。

 

 問題は、陛下がお言葉を述べられたということではなく、そうした重大な思し召しが官邸側にはっきりと伝えられていなかったということでしょう。陛下の思し召しを官邸に伝えるのは宮内庁長官の役目です。そのために内閣府から派遣されているわけですから(宮内庁は内閣府の機関)。

 

 内閣府の長は内閣総理大臣で、言わば皇室に関する最終責任者は総理です。そのトップにきちんと情報をあげた上で対処していなかった――これは、風間氏の責任というより、システムの問題なのかもしれません。宮内庁はあくまで「庁」で「省」ではありませんから、その長官はとかく軽んじられる傾向にあります。しかも、宮中という他の省庁とは違う独特の世界を持っていて、ただでさえ政府とは疎遠になりがちです。

 

 政府としては、そうした自戒の意味も込めて人事を一新し、風通しを良くしようということなのかもしれません。