4月に入ると、妻が余命2年の宣告を受けてから4年になる。


徳島大学病院に1人で呼ばれて宣告された。


2年…すぐではない、でも長くもない…


複雑な気持ちだった。


「お子さんが物心つくまで…。」と言われたのを覚えている。


セカンドオピニオンでお世話になった同級生にも、1年持たない可能性もあると言われた。


膵腺房細胞癌は希少癌で調べても、症例も少なかった。


専門書を読んでも記載は1ページにも満たなかった。


でも、そんな中、膵腺房細胞癌で手術した後、肝転移し、その後抗がん剤治療で5年生存した症例もあった。確か抗がん剤はTS1だったと思う。


浸潤型の通常の膵臓癌よりも、膵腺房細胞癌は予後は穏やかだとの記述もあった。


妻は癌が見つかった時点で肝転移があり、手術を受けていない。


若いし体力もある。


症例なんかより長生きしてくれるはずだと思っている。


何より遺伝子検査により見つかった治験薬への治験に参加して、薬が効いている。


元気に働きにも行っている。


涼介のため、私のためにも長生きして欲しい。