既に何度も登場してもらっている森さんの活動のお話です。

実は同じようなことを、私も以前メキシコで試みたのですが、なっかなかうまく出来ませんでした。

でも、森さんはかなりいい感じに、勿論努力と我慢と試行錯誤の上ですが、やったんですねぇ。

素晴らしい!!


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今回は、配属先の事務所でのちょっとした出来事を紹介させていただきます。


ちょうど去年の今頃、任地に着任して少し経ったころから、事務所内での職員の「行動予定表」を作りたいと思い、いろいろ試行錯誤してきました。行動予定表とは、日本の職場でよく見かける、何月何日にどんな行事があって、誰がどこに行くのかを書きこむ表です。


作ろうと思った理由ですが、私の配属先は自治体の広域連合なので、各職員が管轄のコミュニティや市役所に出向いて仕事をするのですが、各職員の行動予定がシェアされていなかったからです。ですので、電話や外部の方が訪ねて来られた時、いつ戻ってくると答えたら良いか分からず困っていました。


また、私の配属先は私を含めて職員6名ですが、車両が1台しかなく、事前に職員間で予定をシェアすれば、車のコーディネートがもっとスムーズに行くのではと思ったからです。さらに、行事の予定もシェアされていなかったため、大事な会議がある日に予定をいれてしまった同僚が、予定の再調整にあたふたしていたこともありました。


「そんなの行動予定表を作れば簡単解決!」と思い、意気込んで作ったのですが、なかなか機能するものができず、使ってもらえるものができるまで実に1年かかりました。


振り返ってみると、今まで作ってきたものが、うまく使われなかった理由は:

1.目的があまり上手に伝わっていなかった

→私なりに説明したつもりでしたが、赴任してすぐに職場の問題点をずけずけと指摘するのも気が引けて、上手に伝わらなかったのだと思います。


2.私が独りで勝手に作っていた

→以前は時間短縮のために家で作っていました。職場で作ると「何作っているの?」と皆見にきてくれるし、興味を持ってもらえた。今回の表は顔写真を入れたので、少なくとも写真撮影を通して全員に制作作業に関わってもらえ、また皆自分が好きなので(特に女子は)写真を撮るだけでかなり盛り上がりました。


3.そもそも職場の事情にあったものではなかった

→予定なんか直前にしか立たないのに、1カ月の予定表を作ったこともありました。今回使ってもらっているのは週間の予定表です。


4.見た目がキライだった

→以前使っていたものはリサイクル普及の思いも込めてミスプリントの裏紙で作っていました。だんだん分かってきたことですが、こちらの人は見た目のきれいさや華やかさがとても大好きです。なので、裏紙で作った予定表は見た目が好みでなかったのでしょう。今回の物は厚紙にセロファンシートを貼って作ったのですが、まるでラミネートをほどこしたような仕上がりになりました。顔写真も入れたので「サッカーの選抜選手の一覧写真みたい」と男性陣にも人気でした。


今回の話は、職場でのちょっとしたことですが、このようなところにも問題(目的)の共有や一緒に作ることなど、生活改善の知恵はどんなことにも大切だと思わせられました。1カ月ほどは喜んで使ってもらっているので、今後も使い勝手の様子を見つつ、必要であればバージョンアップしていきたいと思っています。


また、特に予想してなかったのですが、予定表を見ながら「こうして見ると俺ら良く働いているよね」とか、「組織的に働いているとアピールできるよね」と同僚の間で話しているのを聞いて、とてもうれしくなりました。


また入口近くに貼っているので、外部の人が来たときに、自分が用のある人が不在だったら、次その人がいつ事務所にくるかチェックして帰られたり、役職と名前も書いているので、組織図を理解してもらうのに役立ったりと、思わぬ副作用もあるみたいでした。


後日、この予定表を見た各市の市長さんたちが、自分たちの市役所にも作って欲しいといわれて、いくつかの市役所でつくることになりました。ぜひ誰か一緒に作ってくれる職員さんを見つけて、それぞれの市役所にあったものを作りたいと思います。


森 栄梨子 ( もり えりこ )



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