「『異神』を立ち読みした私!―「ぱいでいあ」に参加して」(その1)渡辺つぶら

 

父方の祖父は神道、祖母は熱心なキリスト教徒、父方の叔母はキリスト教神学校先生、母方は仏教で、幼稚園はキリスト教系だったせいか、いろんなカミサマの〝ちゃんぽん〟が身近にありました。

 

美大時代は、神話に現れる生のエネルギーに惹かれ、世界各地の宗教・神話等をイメージした絵画や立体作品を創っているうちに、次第に日本神話を中心に描くようになりました。特に母が太った体形で、子供の頃しがみついた時の感触や安心感から豊かさの象徴として、ふくよかな女神を描きはじめました。

芸術を志す身として、弁才天は大好きでしたが、頭上にいる宇賀神(うがじん)に惹かれ始めた頃に、たまたま新宿の紀伊国屋書店で山本ひろ子先生の『異神』に出会い、衝撃を受けました。

 

その当時はお金がなくて、7千円の『異神』を買うことができませんでした。毎回紀伊国屋に午前中から行き、『異神』の読んだ所までに紐のしおりを挟み、途中昼食を食べ戻り、また続きを読むというのを繰り返していたら、書店の店員さんに目を付けられ、毎回しおりの場所が変わっている事態になりました。

 

 

何とか買う事が出来、それから、『異神』のカミサマや神仏習合のカミサマが、人々の願いに応じて、まるで〝合体ロボ〟のように変化していく様(廃仏毀釈で失われつつあるカミサマ)に興味が絞られていき、作品を創っています。(つづく)

 

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渡辺つぶらの「八百万神図」ヤオヨロズ (ameblo.jp)