「幼少期よりひろこゼミに辿り着くまでの道程」(その3) 大久保裕子

 

それ以来、「みえないものへ捧げる舞とはどのようなものだろう」と言う想いを抱えたまま、動きの基礎を学ぶためのバレエの修行は、まるで映画『少林寺三十六坊』のように、熱々のお湯が入ったバケツを両手に持ち、更に頭にも乗せて綱渡りするような毎日だった。

その後独立し、顔を隠して自我を無くし、何者かの意思で動かされる踊りに夢中になり、あちこちで活動していたが、いつか「みえないものへ捧げる舞」や日本の思想について学びたいと思って数十年。元、山本ゼミ生だった山伏に、山本先生の「鉄の女神 タタラの呪術世界をめぐって」の論稿を読ませてもらい、書かれた文字よりさまざまな方向に飛んで爆発する火花の煙の奥から、確信を持ってついに「ひろこゼミ」の門が立ち現れたのだった。

目の前にたくさん出現した未知の扉はどこも解錠されている。ついに本腰を入れて飛び込む時がきたようだ。(了)                    

 

参考文献:山本ひろ子「鉄の女神 タタラの呪術世界をめぐって」『へるめす』終刊号(岩波書店、1997.7)所収

 

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ということで、みごと今年度のゼミ長に就任し〝みなさんスクリーム!!〟とかつてないメッセージをわれわれに投下するのでした。スクリーム!な人、2024年ゼミ長挨拶 | 成城寺小屋講座 事務局 (ameblo.jp)

23日のゼミでは、Yさん、Mさんによる「呪術と神楽」の〝弓祈祷〟に関するレポートに加え、「横浜人形の家」の展示で見たばかりなのでと、ゼミ長より「御幣の動態学」の追加レポートもあるもよう。

わたしも遅れをとらぬよう、しっかり予習をしてのぞも。