若狭には仏多くて蒸鰈

(わかさには ほとけおおくて むしがれい)

森 澄雄

 

 

福井県敦賀「色が浜」に行くためレンタカーを借りたので、「色が浜」を見たあと、若狭から舞鶴までドライブした。

奥の細道ルートからは逸れるが、「若狭」とりわけ「小浜」へ行ってみたかったのだ。

 

もう30年くらい前だろうか。

家族旅行でこのあたりを車で通った時、海の風景のあまりの美しさに感動したのだ。

海辺をドライブしただけだが、その風景は何十年経った今でも忘れることがないのだからよほど感動したのだと思う。

それに若狭は関東からは実に遠い。

行くのに不便なところなので、今まで見に来ることが出来なかったのだ。

 

もう一つ言うと、上記の森澄雄さんの句にも魅了されていた。

若狭には古い寺院があることは知っていたが、実感として理解出来なかった。

この句の良さはやはり若狭を旅してこそわかるのではないか、と思っていた。

 

 

まずは小浜市の「鵜の瀬」へ。

ここは東大寺お水取りの「水」(香水)を汲み上げるところで、この水を東大寺に送る。

 

 

 

良弁(ろうべん・りょうべん)和尚は奈良時代の僧侶で東大寺初代別当、つまり、東大寺の最初の「トップ」になった人だ。

ここで水を汲みあげる行事は東大寺の「お水取り」ならぬ、「若狭のお水送り」と言われていて立派な季語だ。

 

 

とにかく美しい川の風景で、ひさびさに「河鹿笛」を聞いた。