(福井県敦賀市 色の浜)

 

 

寂しさや須磨に勝ちたる浜の秋

松尾芭蕉

 

 

「色の浜」へは芭蕉が船で行っているので、私はレンタカーで行く。

ここを訪れるのは2回目で、ここは私の人生観を大きく変えたところである。

「寂しさ、侘しさこそ尊い」という思いを芭蕉に教えてもらい、生きる気力を教えてもらったのである。

 

 

 

ここは実に美しい風景だが、護岸工事が進み、かつて西行が、芭蕉が拾った「ますほの小貝」はもう見当たらない。

 

 

芭蕉が風景を眺め、ますほの小貝を沈め、酒を楽しんだ本隆寺は海から十メートルちょっと離れたところにある。

ここでゆっくり風景を眺めたかったのだが、なんか、すぐ目の前で職人さんたちがたくさん屯していて、ちょっと恥ずかしかったので、ゆっくりできなかった。

 

芭蕉句碑の隣には西行の歌碑、

 

潮染むるますほの小貝拾ふとて  色の浜とは言ふにやあるらん

 

があった。