(東京都台東区池之端)

 

 

夜の雷雨朝も降りつぐ月見草

(よのらいう あさもふりつぐ つきみそう)

水原秋桜子

 

 

昨日は台東区池之端の「池之端句会」。

そのあと新規句集の打ち合わせ、横須賀に戻ると、19時頃からばったり眠り、途中二回ほど目を覚ましたが、朝7時に起きた。

ひさびさよく寝た~~。

やはり疲れていたんだな~。

 

 

午前中は海辺を散歩した。

もうすぐ雨が降るようで、日曜の割には人は少ない。

 

 

海岸には写真のような黄色い花が咲いている。

「待宵草」ではないか。

「待宵草」には疑問が多い。

 

待宵草

宵待草

月見草

 

の区別がよくわからないのである。

 

まちよいくさ

まつよいくさ

 

と読むのかもわからない。

 

で、調べてみると「マツヨイグサ」が正解らしい。

「マツヨイグサ」はアカバナ科マツヨイグサ属の一年草。

原産地は南アメリカ、日本には嘉永年間(1848~1853)に鑑賞用として入って来た。

花は黄色で、大きさは3センチほど、萎れると赤く変化する。

写真にも赤く萎れた花があるから、やはり、この花は「マツヨイグサ」に違いない。

調べてみると、「マツヨイグサ」の他に「オオマツヨイグサ(大待宵草)」「メマツヨイグサ(雌松宵草)」があるそうだ。

「オオマツヨイグサ」「メマツヨイグサ」の花は萎れても赤くならないのでこれで区別が付くようだ。

 

次に「マツヨイグサ」と「ヨイマチグサ」との違いとは何か?

竹久夢二の詩から来ているらしい。

 

「宵待草」

遣る瀬ない釣り鐘草の夕の歌が

あれあれ風に吹かれて来る
待てど暮らせど来ぬ人を

宵待草のやるせなさ

今宵は月も出ぬさうな

 

この詩を作った初め、「待宵草」だったのを、語呂というか調子がよくなかったので「宵待草」に直した。

それが有名になり、混同されるようになった、と言われている。

つまり、「宵待草」という草花はない、ということだ。

 

もう一つ、「月見草」との違いだが、日本では月見草、待宵草を含めた黄色い花の総称として「月見草」と呼んでいたそうで、混同してしまったようである。

太宰治「富嶽百景」の、

 

富士には月見草がよく似合う。

 

で有名な「月見草」は、「マツヨイグサ」同様、アカバナ科マツヨイグサ属で近い種で混同してしまうのはしかたがないように思える。

「マツヨイグサ」が黄色い花だけなのに対し、「月見草」の場合、咲き始めは白で黄色くなることはなく、萎むにつれてピンク色になる。

「月見草」「待宵草」どちらも夏の季語なので、ますますややこしい。

歳時記などでは季語「月見草」の傍題として「待宵草」を記載しているのが多い。

俳句の世界では「月見草」「待宵草」はほぼ同じ、という認識のようだ。

 

しかし、月見草も宵待草も朝に萎むと書いているが、結構、朝も昼も咲いている。

これはどういうことだろう。

 

宵待草の句を探したが見つからないので「月見草」の句を。

 

 

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