(神奈川県横須賀市長沢)

 

 

花さそふ嵐の庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり

「百人一首」入道前太政大臣(にゅうどうさきのだいじょうだいじん)

 

 

今日は立川のクレア句会。

明日は高円寺のコングレ句会、その翌日、横須賀に帰る。

なんと! コングレ句会は今回、新規に3名が参加してくれる予定だ。

とてもうれしい。

この調子で増えていってくれるといいな~。

 

NHKの土曜ドラマ「さよならホスピタル」というドラマを見ていたら、見覚えのある海の風景が何度も映っていた。

私の家から歩いて15分ほど、私のいつもの海辺の散歩道に病院があり、そこでロケをやっているようだ。

私の住んでいる海辺はテレビドラマの撮影によく登場する。

特にNHKのドラマが多いようだが、民放の木村拓哉主演ドラマでもわが長沢の海の風景が登場していた。

東京から近いのと、鎌倉や横浜のような混雑がないから、撮影しやすいのだろう。

 

冒頭の歌、「入道前太政大臣」とは「元・太政大臣だった僧侶」という意味。

「太政大臣」は左大臣、右大臣より上位の最高位の官位で、藤原公経(ふじわらのきんつね)(1171~1244)のこと。

歌の意味は、

 

春の風は 花を誘い

花をまきあげ 吹き荒れる

ああ 花吹雪

雪のようじゃないか

いや 違う

あれは雪なんかじゃない

ふるといえば 古びてゆくもの

古びてゆくものと といったら

それは私の身だ

ー小池昌代・訳『百人一首』より-

 

花吹雪に佇む白髪の老人の様子が思い浮かぶ。

乱世を生き抜いた男の人生、歌に出てくる「雪」は「白髪」を暗示し、「花(桜)」は「これまでの人生」を象徴しているのであろうか。

「人生の思い出」と「老い」が歌の中で交差しているのだ。


ドラマ「さよならホスピタル」も「末期症状の老人」が死を迎えるのみの病院の物語なので、「百人一首」のこの歌が心に染みた。

「ふり」には桜が「降る」と、わが身が「古る」を掛けている。

「ふりゆくものはわが身なりけり」か…。

 

 

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