(東京都杉並区荻窪)

 

 

三井寺の門にかけたり眼白籠

(みいでらの もんにかけたり めじろかご)

松瀬青々(まつせ・せいせい)

 

 

今日は荻窪の青丹句会。

朝から冷たい雨が降っていて、途中、ほんの少しだが雪が降った。

 

(荻窪~角川源義邸(すぎなみ詩歌館))

 

おとといもここで「おくのほそ道」講義もおこなったが、その日はとても穏やかで、紅白の梅が実に気持よかった。

今日の庭は寒々としていたが、よく見てみると「目白」(めじろ)がしきりに梅の花をついばみ、蜜を吸っていた。

 

 

目白はかわいい…。

目白のかわいさを詠んだ句を詠んでみたいと思っているが、なかなか出来ない。

 

昨日、「目白」を「春の季語」と書いたが、角川の歳時記を見てみると、「夏」の季語となっていた。

歳時記によっては「秋」の季語になっている。

「目白」が夏または秋なのは不自然…、という議論がある。

私もそう思う。

「目白」は「春」の季語ではないか。

なにゆえ「夏」または「秋」なのだろうか。

いろいろ調べてみると、昔、鶯(うぐいす)と目白は混同されていたらしい。

私も俳句をやる以前は、メジロを鶯だと思っていた。

 

掲句。

松瀬青々(1869~1937)は関西俳壇の重鎮。

正岡子規、高浜虚子に師事し「ホトトギス」に所属したが、古俳諧や松尾芭蕉、古季語の発掘、再生に力を尽くし、「ホトトギス」とは一線を画した勢力を関西を中心に築いた。

「三井寺」は滋賀県大津市の寺院で、比叡山延暦寺と並ぶ古刹。

芭蕉も愛した寺院である。

その山門に「目白」の籠が懸けられている、というもの。

出来過ぎのような風景だが、なんだか泣けてくるような、静かで美しい風景だ。

「目白」の「緑」が墨絵のような風景に彩りを生み出している。

 

 

林誠司~句会、講座一覧