(神奈川県横須賀市長沢)

 

昨日は杉並区高円寺の「香林会」、今日は句会がなく、横須賀に戻っている。

明日は世田谷区用賀の「EPC句会」、明後日は新宿区早稲田の超結社句会「細道句会」。

『俳句再考』が好評で、発送が忙しく、句が出来ていない…。

これから考えるか。

 

『俳句再考』、昨日・今日は句会で6冊、郵便で1冊、SNSで3冊で売れた。

合計「111冊」、ありがとうございます!

 

『俳句再考』~「俳句に触れているかどうか?」という箇所で、写真家・浅井愼平さんにインタビューした時のことを書いている。

浅井さんは著名な写真家だが、俳句作家としても活躍している。

俳句総合誌にいた頃はお会いする機会があったが、もう10年近くお会いしていない。

 

今日、その愼平さんからおハガキをいただいた。

俳句アトラスで刊行した、角川春樹さんの最新句集『オー・ソレ・ミオ』で、私の名前を見つけたので懐かしくなった、とあり、「いずれ、どこかで」と書いてくださっていた。

とてもうれしかった。

私のことなどとっくに忘れているだろう…、と思っていたからだ。

こういう気遣いが、人を惹きつける「大物」の証なのだろう、と感心した。

浅井さんも今年85歳…、お会いしていた時は世界を駆けまわっていた。

「明日からヨーロッパだ」とか、「昨日、南の島から帰って来た」とか、いつもそう言っておられた。

今はさすがに仕事をセーブしておられるのだろうか…、それともいまだに世界を駆けまわっておられるのだろうか…。

浅井さんの、

 

文化とは取りに行くもの

 

という言葉は衝撃的で、今も私の心に深く刻まれている。

 

で、正直言ってちょっと焦る気持もあった…。

『俳句再考』で浅井さんの言葉を取り上げているのに、当の浅井さんにまだ謹呈していなかったのだ。

名刺を無くしてしまい、事務所の住所がわからなくなってしまったのだ。

ご自宅の住所(?)が書いてあったので、今日、「事後報告ですいませんが…」と急いで手紙を添えて投函した。

まあ、許してくれるだろう…(笑)。

しかし、浅井さんの言葉を収録した本を刊行した途端、浅井さんからハガキが来た偶然にちょっと不思議な感じがした。

 

ところで、若い頃、『十八史略』(著・陳舜臣)という中国の歴史書を読んだことがある。

簡単に言えば中国の長~い歴史を簡潔にまとめたもので、とにかく面白かったが、印象に残った一人に「伍子胥」(ごししょ)がいる。

紀元前、中国春秋時代の人だ。

 

「楚」という国の有力な政治家の一族だったが、王族の争いに巻き込まれ、父と兄が殺されてしまった。

生き残った伍子胥は復讐を誓い、「呉」へ亡命した。

そこで頭角を現し、呉王を説得し、「楚」を滅亡に追い込んだ。

しかし、父や兄を殺した憎き「楚王」はすでに亡くなっていた。

しかし、伍子胥は怒りを収めることが出来ず、王墓を暴き、楚王の死体を引きずり出し、屍に300回、鞭を打った。

 

この話を読んだ時、ぞっとして、やはり「大陸の人」と「日本人」とは何か根本的な考え方というか、価値観が違うのではないか…、と思った。

これだけだと執念深く恐ろしい人物像を想像してしまうかも知れないが、伍子胥は直情型ではあるが、清廉潔白な人柄で、大変な努力家でもあり、むしろ尊敬すべき人だ。

そういう立派な人が、このような事をしたことが私には衝撃だった。

日本人の人格者、いや、人格者でなくても、日本人は死者に対し、そういうことはしない、と思った。

 

しかし、昨今の日本の様子を見ていると、「死者に鞭打つ」ことをなんとも思わない人が増えているようで、なんだか恐ろしい。

私が思っていた日本人像は単なる幻想だったのか?
正直、とても同じ国の人とは思えないのである。

それとも、どこの国もそういう思想の人はいるのだろうか。

抗議活動もどんどん過激化している。

 

今日は70代の男性が、安倍さんの国葬に反対して、国会議事堂の前で焼身自殺を図ったという。

消火に当たった警察官もやけどを負った。

あの世代の人たちは、GHQ(占領軍)や日教組による「自虐史観教育」を叩きこまれた世代なので、かたくなな人が多いのは、ある程度仕方無いことだと思うが、少し過激過ぎないだろうか。

70年も生きて、ああいう抗議方法しか思い浮かばなかったのだろうか。

 

確かにアジアなどでは、僧侶などが抗議の為、焼身自殺をしているところもある。

一部の人は、その行為と同一視する意見があるようだが、その国は軍事政権だったり、独裁政権だったり、選挙が全く機能していなかったり、そういう背景がある。

日本はちゃんと選挙がある。

選挙で信任された内閣の決めた事を気に入らないからといって、あそこまでやるのはどうだろう。

それは選挙、投票で示すべきではないだろうか。

若い世代のほうがよっぽど理解していて、今回のことは逆に引いてしまっている。

 

ある大学教授とSNSでやりとりした時、「国葬」になれば、安倍さんは歴史的に国際的に功績が認められた形になる。

そうなると「反安倍」を掲げていた自分たちは「功労者を妨害し続けた人」という位置づけになる。

だから、彼らは今、必死なのだ、と言っていた。

なるほどな〜、と思ったが、しかし、そうだとしても「凶弾によって言論を封殺された人」の死を侮辱し続けるのは、やはり私には異常に見える。

 

 

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