(神奈川県横須賀市長沢)

 

 

向日葵や信長の首斬り落とす   角川春樹  

まぶしかる海に垣して黐の花   森 澄雄

 

 

向日葵が咲き始めた。

いよいよ夏なんだな~。

昨日、今日と一時期的に雨が降ったが、全体的には好天だった。

だから関東は「梅雨入り宣言」をしなかったのだな。

 

向日葵はいい。

生命力に溢れている。

私にとって「向日葵」は「海」とともに「夏」の象徴である。

 

 

今日は仕事の前に、里山を散歩した。

山はすでに草木が茂り、梅雨の様相になっている。

 

 

これはきっと「ねずみもちの花」(…だと思う)。

「ねずみもち」と「もち」は違うらしいが、「黐の花」には思い出がある。

 

20代の頃、

 

黐の花兄の三十路を祝ひたり

 

という句を作り、句会へ出した。

ちょうどその時、かなりご年配の方が句会のゲスト選者としていらしていた。

この句はまったく点数が入らなかったのだが、その方だけ、秀逸に選んでくれた。

まだ、俳句を始めたばかりなので、とてもうれしかった。

 

で、その先生が、この句をみんなの前で選評してくれたのだが、

 

「黐の花」は地味な花で、同じように「地味」なお兄さんの儚い人生を思い、云々…。

 

と言い始めた。

私の兄は、昔から女性にモテモテで、私など小学生や中学生の時、同級生の女の子から、兄へのラブレターや、バレンタインチョコなどをたくさん預かったりしていた。

そういう兄だったので、その選評を聞いてびっくりしてしまった(笑)。

 

しかし、これはやはり私が悪い。

ちょうどその頃、兄が30歳の誕生日を迎えた。

「黐の花」はおっしゃる通り地味な花だが、私はあんまりそういったことは考えず、とにかく、当時所属していた「河」の結社理念「二句一章」を身に着けようと、歳時記をめくって、季語「黐の花」と取り合わせてみただけだったのだ。

はからずも、この失敗は、二句一章の勉強になったのである。

 

もうちょっとしたら、この木にも花が咲くだろう。

今度はちゃんと見て、一句作ってみたいものだ。

 

 

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