(神奈川県横須賀市長沢)

 

 

夏鳶や地質学者の首タオル    誠司

 

 

今日は西荻窪「俳句の駅」句会。

コロナの影響で会場の入場定員数が制限されており、3回に分けて句会をしている。

今日はそのうちの2回分(午前、午後)があり、一日中、句会である。

普段とは違う6~8人程度の句会で、物足りなくもあったが、句についてディスカッションも出来て楽しかった。

ふだんはスルーする私の句も、みんなに見解を尋ねたりした。

 

この句、好きな句なのだが、先日の超結社句会「細道句会」で、

 

鳶鳴いて地質学者の首タオル

 

で出して、好評を得たが「無季だ」と指摘された。

これは私の認識不足で、「タオル」が夏の季語だと思い込んでいたのである。

あらためて調べてみると、

 

ハンカチ

手ぬぐい

汗拭き

 

は夏の季語だが、「タオル」は夏の季語ではなかった。

「汗拭き」イコール「タオル」だからいいではないか、とも思ったが、やむなく「鳶鳴いて」を「夏鳶や」と直し、もう一度、評価を求めた。

今日の句会でも、おおむね好評だったが、私としては、

 

「首タオル」で夏の季語にならないだろうか?

 

という思いがある。

 

私からすると「夏鳶」と「首タオル」両方に「夏の季感」があり、ちょっとうるさい感じがする。

できれば「鳶鳴いて」あるいは「鳶の笛」などとしたいのである。

 

「万緑」(夏)は中村草田男が、「釣瓶落し」(秋)は山本健吉が作った季語。

「半ズボン」というのは、私が俳句を始めた頃は、季語ではなかったと思うが、今は季語として認識されている(気がする)。

歳時記に無いからといって、季語ではない、とは言えない。

多くの人が認めたり、使い始めればやがて季語として認知される。

「首タオル」というのは、いかにも夏らしいので、これを新季語として、このままにすべきか否か…。

 

なお、

 

考古学者の首タオル

 

のほうがいいかもしれない、という気もする。

 

鳶鳴いて考古学者の首タオル

 

そうすると「古代遺跡」にしゃがみこんで、炎天下で発掘作業をしている様子が浮かんでくる。

その上を鳶が鳴いているのだ。

「首タオル」も効果的だ。

 

地質学者だと、山や渓谷などの風景になるだろうか。

そういう意味では「汗」だったら、「考古学者」のほうがいいのかな…という気もする。

ただ、考古学者で「首タオル」ではありふれている、という感じもする。

 

 

〈お知らせ〉

よみうり日本テレビカルチャー町屋(東京都荒川区)「じっくりと読む「奥の細道」」

電話 03-3802-7115

 

 

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