(神奈川県横須賀市津久井)
この里は細流ばかりさくら草 誠司
ここは自然が豊かだ。
海もある。
朝は鳥のさえずりで目を覚ます。
雀や烏ではない。
瑠璃鳥のようなきれいな鳴き声である。
まどろみに包まれながら、ああ、ここに住んでよかったな~…と思いながら、ふたたび私は目を閉じる。
…が、いつまでも鳴いている。
しかも声が大きい。
うるさいな…。
寝てられんわ…。
となる。
どうも、あの囀りの主は、
画眉鳥(がびちょう)
らしい。
中国からの「外来生物」で、侵略的外来種ワースト100選定種である。
どうりでやかましいはずだ(笑)。
きれいな音色だが、音量が大きく、いつまでも鳴き止まない。
マンションのそばには川が流れているが、先日、群生して咲く「黄菖蒲」を見た。
「花菖蒲」というと、菖蒲苑などでしか見かけないものだから、
川辺に咲く野生の黄菖蒲とは…、風流だ…。
などと思って見ていたが、なんと「黄菖蒲」も「帰化植物」だと知った。
Wikipediaを引用する。
西アジアからヨーロッパ原産の植物で、(略)観賞用に栽培されているハナショウブには黄色系の花がないため、その貴重性から重宝されたが、湖沼や河川などへの拡散が問題となっている。
環境省は「要注意外来生物」の一種として(略)警戒を呼びかけている。
また、日本自然保護協会、日本野鳥の会、世界自然保護基金では生態系に与える影響や侵略性が高いとしている。
なんと、これも「侵略植物」である。
「風流じゃ…」などと言っている場合ではなかった。
池にはミドリガメ、湖にはブラックバス、小川にはアメリカザリガニ・・・、日本の自然はどうなってしまうのだろう。
私の大好きな「アメリカオオイヌフグリ」も「帰化植物」であることを数年前に知り、困惑している。
日本の動植物は外来種に駆逐されつつあるのだ。
しかし、一方、心のどこかで、
日本の動植物はやわだな~。
という気もする。
なんだかアメリカに戦争でコテンパンにやられた日本そのもののようにも思える。
アメリカや中国の外来種にやられっぱなしじゃないか…、という悔しい気もある。
が、そうでもないらしい。
忍冬(スイカヅラ)
葛(クズ)
などは、アメリカで大量繁殖し、
ジャパニーズ・グリーン・モンスター
と呼ばれているそうだ。
しかし、別にそれを、
日本もなかなかやるじゃないか!
という目で見る気にもならない。
やっぱり、どちらも「ありのまま」のほうがいい。
外来種といっても、全ては、それらを安易に持ち込み、野に放ってしまった人間のせいなのである。
今日は昼頃から、里山を散策した。
季節は着実に進んでいる。
里山はすでに「梅雨」に入ったかのような様相だ。
ところでここ数日、「通信句会」にかける時間が多い。
「荻窪青丹会」は当初から通信句会をやっていたが、最近は「谷中句会」「池袋谷端川句会」「大森新山王句会」も通信句会を始めた。
自分で言うのもなんだが、私は結構、仕事が丁寧だ。
基本的に選句だけでなく、全句を講評する。
これは句会でもそうで、通信句会でもそれをやっている。
が、一つならともかく、6つ(青丹会、谷端川句会は2回ある)となると結構大変だ。
適当に手を抜けばいいのだが、A型の血が騒ぐのか、いざやり出すと、手を抜くと、どうしても罪悪感が出てしまい、結局、全句講評をするのだ。
喋るより書くのは大変だ。
今日は、(すっかり忘れていたが…)「早稲田細道句会」の締め切りで、昨日、世話役の方からメールをいただき、あわてて書いた。
これは指導句会ではなく、超結社句会なので全句講評はしなくていいのだが、取った句(9句)すべてにコメントを書く。
それが終わったら毎月末〆切の「青海波」の会員作品鑑賞を書き始めた(…というか打ち始めた)。
昔、売れっ子俳人と話した時、
選句に殺されそうだ…。
と嘆いていたが、さすがにそこまでは思わないが、なんだか私も売れっ子俳人になった気分だ…(笑)。
私は、これまで、
俳句を友として人生を過ごしてください。
と多くの人に伝えてきた。
特に自粛生活を送り続ける、苦しい時こそ、「俳句を友として過ごしてください」と呼びかけて来た。
その人たちが、私の言葉を信じて、投句してくださっているのだとしたら、手を抜くわけにはいかない。
が、やっぱり書くのはしんどい。
しゃべっている方が楽だし、何より楽しい。
早稲田細道句会は6月から、池袋谷端川句会、大森新山王句会は7月からの再開が決まった。
これから少しづつ始まるだろう。
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