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夏来れば夏をちからにホ句の鬼          飯田蛇笏(いいだ・だこつ)

(なつくれば なつをちからに ほくのおに)


昨日は夜9時半まで会社で仕事。
会社にある本や資料では、どうしても書きあげられない仕事の原稿があって、横須賀の自宅に帰宅後、夜中の2時過ぎまで書庫をひっくりかえしたりして、明け方4時ごろに就寝。

翌朝は9時に起きて、10時から自宅でそのまま原稿書き。
14時ころに原稿の8割を仕上げて、横須賀を出て出社。
16時頃出社して、20時半まで仕事。
二つ、原稿があったのだが、なんとか両方とも入稿出来た。
そのあと、スタッフとか~るく呑んで、さっき帰宅…っと。
あ~疲れた。

でも今回は勉強になることが多い。
原稿というのは、飯田蛇笏、飯田龍太関連なのだが、あらためて蛇笏、龍太の俳句を読んで本当に感嘆した。
有名な句ももちろんだが、今回初めて知った句も実に多い。
とくに感嘆したのが掲句である。

俳句には、技術だけでは到達できない境地がある。
それがこの場合、「ホ句の鬼」。
「ホ句」とは俳諧、俳句のことと考えていい。
江戸時代や明治のころまで使われていた言い方である。

どんなに優れた表現技術を持っていても、自分は「ホ句の鬼」だ、という、真の強い意識がないと、この句はたちまち「軽く」「うわついた」ものになってしまうだろう。
そして、蛇笏自身、その強い意識にたどり着くまで、相当な努力と苦悩、葛藤があっただろう。

これは蛇笏晩年…少なくとも老年になっての句である。
体力、気力が衰えつつあるが、夏が来れば…、夏がやってくれば…、その夏のエネルギーを集めて、自分は「ホ句の鬼」になる、と言っている。
すごいことだ。
私もいつかそういう句を作ってみたい。
仕事であったことも忘れて感嘆してしまった一句。