9月29日の日本経済新聞夕刊”安倍首相 所信表明演説” | めし、食ったか?

9月29日の日本経済新聞夕刊”安倍首相 所信表明演説”

最近日本経済新聞の安倍首相への”厳しさ”が心地よい。朝日が今あんなんで、読売が昔っからそんなんだし、毎日は論点がどこにあるの?、ってな感じなので、ここで日経が昔の様に”安倍首相スゴイ!”ばっかりだと、あんまりにも疲れる世の中になるなぁ、って、思っていたのだった。

この日の夕刊のこの日経の記事、なかなかこれまで提灯気味だった日経にしてみたら、少し骨のある
記事だった。

”安倍首相の所信表明演説は来春の統一地方選挙をにらんで地方創生に重点を置く””国としての具体策の本格検討はこれからだ。賛否が割れる安全保障法制の全体像や消費税率10%への再引き上げにも踏み込まなかった。メッセージ性の乏しさが否めない”

こんな感じで始まるのだが、なかなかに手厳しい。”地方創生国会と自ら銘打った割には、今国会でどのような法整備を進めようとしているのかという説明が少ない。もう一つの柱となる女性の活躍推進でも、「女性が輝く社会」というスローガンばかり”具体性がないのだ。

”消費税率10%への引き上げは12月までに判断するとしているが、演説では触れない。”

”集団的自衛権の行使を認める憲法解釈変更を受けた安全保障法制整備の説明も控えめ””集団的自衛権の行使容認に対する根強い批判を踏まえ、安全保障法制の整備を今国会ではなく来年の通常国会、それも、来年の統一地方選挙後に先送りした経緯がある。”

”沖縄県の基地負担軽減を巡っても抑制的な表現がみられる。11月の知事選の焦点になっていることに配慮したのか、日米合意である普天間基地の名護市辺野古移設そのものに言及しない。”

”国会論戦での丁寧な説明が求められる”

9月15日の昼は16時頃食った。

だらしのない野党に変わって、きっちり突っ込むべきポイントを書いている、様に見える。割合しっかり正しく批判していて、新聞としての正しい仕事をしているように思う。

でも、なぜ日経がここに来て?

やはり、経済か?

アベノミクスで改善していると言っている経済の特に個人消費は、景況感がよくない。製造業を中心に内部留保が最近最高になっているとかいう報道もあるけれど、個人への還元がない。ないまま、化石燃料を使う電気の値上げだとか、円安による輸入品を中心とした食料品の値上げなどが実施されていく。経営者は景気がよくなりつつある実感はあるかもしれないが、従業員にはない。経営者だってこれだけ円安になって輸入原材料が値上げしていけば、価格を押さえ込むわけにもいかず、乳製品や農産物品の様に、値上げに踏み切らざるを得ないだろう。

消費税を上げるかあげないか、の議論の前に、このアベノミクスは本当に正しいのか、検証されるべきなんだと思う。個人的には、第三の矢といわれる成長戦略・規制緩和で今後伸ばすべき産業を育成していく、そういう話がうまく進んでいるようには見えないので、このままだと、”アベノミクスは日本の戦後最大のばらまき政策だったな”、で、終わるかもしれない、って、危惧している。だって、ばらまいた以上は、借金が残るんだよ!