起業家スクールで習って感心したこと。



福島先生いわく『経営者は頑張っちゃいけない』らしい。以下は私の勝手な理解なので福島先生が言ってたのとは違う可能性アリ。


 


たとえばアナタは時給800円のバイト生活。月に12万円ぐらいのフリーターだとする。しかしそんなアナタに大変な事態が。彼女の急な妊娠。おいおい、月に12万じゃ結婚生活できないぞ。



こんな場合、たいがいの人は頑張ってなんとかすると思う。




「今は1日8時間バイト入ってるけど、これからは頑張って10時間以上、あと休みの日も入るよ!」




しかし、私はこれを解決策だとは思わない。




確かに労働時間を単純に増やせば収入は増える。だが逆に言えば必要となる金額が大きくなるほど労働時間は伸ばさなければならない。子が大きくなるにつれアナタは睡眠時間を減らし、食事する時間も妻や子どもとの団らんにあてる時間も切り詰めることになるだろう。


こうして労働時間 + 生活に最低限必要な時間が1日24時間を超えた時、この「モデル」は破綻する。いや、その前にアナタは倒れてしまうだろう。そうなってしまえば収入は一切なくなる。どっちにしろ破綻は免れない。


私に言わせれば「この悲劇は”善良な努力家”であるアナタが引き起こしたのだ」



頑張る = 無理をする



ということを理解する必要がある。無理をすることをモデルに組み込んでいる時点でマネージメント(経営者)失格である。



「今はまだ無理がきいたとしてもそう遠くない将来、破綻がくる」


「手痛い出費であるが、資格試験を受けよう。そうすれば時給が500円上がる。」


「不況とは言え扶養手当がある会社を探してなんとか就職しよう」



同じ頑張るならこちらの方に努力すべきだろう。今あるモデルを頑張ってなんとかするというのは愚の骨頂だ。





話を転じて政治の話にもっていくが、昨今の政治状況はこれとよく似ている。



「不況であるから大規模な財政出動を行って公共事業で景気を底上げしよう。」


「高速道路料金を引き下げて観光・商業を活性化させたい。」


「史上空前の補正予算を組んで、苦しい中小企業をなんとか助けよう。」


「かかる財源は国債でまかなう。景気が回復したら増税で後で回収しよう。」



今までの政権がサボっていたわけではないのはよく理解している。というか「このキツい政治判断をよく行った」と誉められていいぐらいに”頑張って”いたと思う。


ただ、景気は回復しなかった。


頑張っても頑張っても、一向に状況はよくならず日本はただひたすら「破綻」へ突き進んでいった。




構造改革路線というのは「今まで騙し騙し使ってきた既存のモデルを見直そう。何が正しいかわからないけれど、まずは変えること。それ以外に生き残る道はない」そういう路線だったと思う。


もしかしたら前述の”アナタ”の場合も



「資格試験に合格できず 骨折り損のくたびれもうけに終わった」


「不況のさなか、そんな都合のいい会社はなかった。」



で終わるかもしれない。しかしやがて来る破綻を前に「頑張ってなんとかする」リーダーは何度も言うがマネージメント失格だと思う。誰も幸せになれない。



10人のリーダーが10人が10人別の方向に走れば、誰かが素晴らしい場所にたどりつくかもしれない。10人で無理ならば100人が。1ヶ月で見つからなければ1年で、1年でダメなら10年探し続けるべき。



「頑張る」ことは美徳とされていたけれど、そうじゃなくて「変える」「変え続ける」ことこそが今必要なことなんじゃないかなぁと思います。