秋田県内でしか流通していない早春の幻野菜ふくたち県南地域出身の方とほぼ特定できてしまうかもしれません。

 

実は「ふくたち」は秋田県南部が発祥の冬野菜です。

 

数年前までは、同じ秋田県内でも県南部を少し離れるとその名さえ知られていない「幻の野菜」でした。(地元では「ふぐだぢ」と訛ります)ふくたちは品種名ではありません。

 

実はふくたちの栽培には「白菜」の種を使用しており、白菜を真冬に育て、結球させずに収穫したものをこの地では「ふくたち」と呼んで食しています。

 

白菜とはかけ離れたその姿に驚かれる方もいますが、味も全く違うのです。

 

その旬は3月~4月のわずか2ヶ月間。

 

雪深く冬の長い秋田県南地区の家庭では食卓に「ふくたち」が並ぶと、「おっ!いよいよふくたちの時期か、もうすぐ春だな」とあたたかい春に期待をふくらませます。

 

ふくたちは雪国の家庭にささやかな春の喜びを運ぶ野菜なのです。