そう、もう夏なのね 伝え残したいことが何もない | 山口精張のおもしろエブリデイ☆(*^^*)

そう、もう夏なのね 伝え残したいことが何もない

雨が降っている。悲しみの雨が降っている。

夏の暑さに対し言葉がなく、ずっと蝉の叫びに耳を寄せている。

きっとです。きっと、あの夏の匂いを取り返そうと必死で走り続けているのです。

うだるような日差しを受けて、ギャンギャンギャンと吠えているあの感覚が必要だと思うし、眩しさに手をかざして白のシャツがギラギラしていたりして、無理して若返ったと勘違いしているあいつらを殲滅してやるのだ。


「こんちはっス」と軽い挨拶をして書店に入り立った。

すかさず「いらっすゎいますぇ」と答える店員風の女。

その態度が気にいらなかったので「餃子だ。餃子が食いたい。餃子をよこせ」と無理難題をふっかけてみたら、本当に餃子が出てきたので「これは俺の負けだな」。食べたくもない餃子を食さねばならなくなった。そして、大方の予想通り、不味い。本屋のくせに餃子など持っていやがる。畜生。

法外な金額の餃子代金を支払い退店。

続いて、電気屋に。「おはこんばんちは」と重厚でいて意味深な挨拶をして入店。

「セシール♪…ディノンセサコンソセナモン」と頭の禿げかかった親父が答える。

とうとうキレてしまったのだ。それは僕が。

「セアライヤッタパジィイ~♪アヤッパジアパジアイアイイ~♪」

豊作を祝う歌を歌い終わった刹那、親父の拳が僕の顔面目掛けてブンと迫った。すんでのところでこれをかわし、後方に宙返りながらジャンプ、波動拳で応酬するも、親父の飛び蹴りが僕の上半身にヒット、もんどりうって卒倒、頭の上にはひよこがぴよぴよ。参った。すいませんでした。

何も買えずに退店。胸部をしたたか打撲。カメハメ波さえ放てればあんな親父一撃なのに、と悔やむ。

不運な一日であるので、やはり、自宅に引きこもって読書でもしていようかと思い帰宅。

なんたること、自宅は放火魔により燃やされていた。雨が降っているというのに火の手は一向にその手を休めずに轟々と燃え盛っている。火柱、爆発、幾多もの破壊音。火焔を見つめて狂気の祭典に身を委ねてやった。


冒険の夏だ。

僕は夏が大好きだ。