母が入院した病院は、自宅の近くにある町医者で、待遇も施設も整っていない病院で、
詳しい検査はできない所でした。
病気をして最初のころは、急性期と言って、病人を無闇に転院させたり、動かしては
いけないのです。
今まで、大きな病気をしたことのない母の入院は、すごいショックでした。
入院日から、母の腕には、点滴の針が刺され、日に日に麻痺していく右側、ポータブルトイレが
用意され、ベットの横に置かれたトイレにも立てなくなる母がいて、ある夜トイレに立った母が
バランスを崩し、ベットとロッカーの間に挟まる格好で朝まで、誰にも気づかれずいたことが
あったそうです。この病院は、完全看護をうたっていて、面会時間が過ぎれば、帰らなければ
いけないんです。
立てない母が、転んだままの格好で、やっと掴んだナースコールを押して、看護師を呼んでも
朝まで誰一人助けに来てくれなかったんです。
報告を受けた時には、びっくりしました。
それも病院関係者から聞いたのではなく、同室の患者さんからです。
病院は、隠ぺいしたんです。
言葉も不自由になっていた母は、私たちには、そういうことがあったことは、内緒にしていたのです。
考えられない事が起こったのです。
看護師の夜間見回りがされていなかったのです。
発見される朝まで、何時間もその格好のままでいたのです。
そんな事故がおきて、不信感が沸いていました。
そんな時です。その日は妹が付き添っていたなですが、病室に入ってきた看護師が、
母の麻痺の状態も把握していず、病名すらわかっていなかったのか、いきなり「検査です。立てるでしょ。」
と言ったそうです。
それを聞いた妹は、ADL(自可同運動範囲、どのくらい自力で動かせるか)も把握していないのかと驚き
妹が車椅子に移動させ、検査室まで連れて行ったと言うのです。
つづく