「おーい モアイ く~ん
誰を待っているんだい
水平線の彼方から
いい人でも来るのかい?」
「たろうさん あなたを待っていたんですよ」
「君は嬉しいことを言ってくれるねぇ~」
「たろうさんが 持ってきてくれる
未来の 愛と平和 幸せ 希望を
待っていたんですよ!」
「わたしが持っているのは
66年生きてきた 経験だけさ
荒波はなかったけれど
凪でもなかったよ
船は沈まなかったし
船頭も 漕ぎ手も 元気さ
わたしは只の水夫なんだよ
船頭は洋子さんだね
わたしは床を磨いていたのさ
少しは自分の心を
磨く暇があったからね
今は幸せさ!」
「わたしたち 雨にも負けず 潮風にも
耐えてきたんですよ
たろうさん これからも守ってね」
「いいよ!アモイくん 洋子さんに伝えるよ」