腹痛と吐き気と痺れで救急に運ばれて腸炎だ診断されたオカン。ムスコのガル男の中学編入試験を翌日に控え、その日中に回復することが求められていたワタシは、先生に可能な限りのトッピングを点滴に加えてくれとお願いし、元気の素を血中に放り込んでもらった。

 
点滴が終わると、青色先生がやってきてこう言った。「お薬出しとくわな、整腸剤ととんぷくな」と。
 
「とんぷくは何のためです?」と聞くと、「熱出てるから、38度4分」というのだ。
 
いつの間にそんな熱。と自身の発熱情報に驚きつつも、その熱、救急車で運ばれてる時に出なくてよかったと安堵したのである。
 
もししょっぱなから高熱だったなら、「これは感染症持って帰ってきてるんちゃん?」という救急隊員共通の認識となり、到着した病院でスズメバチ駆除みたいな格好した先生たちがやってき
 
隔離...
 
あ〜、そうならなくてよかったぁと渡された処方箋を持ち、病院の前にある薬局へと向かったのである。
 
そこでふと気付いたのだ。
ワタシ、今どこにいてるんやろうか
と。
 
引っ越して2日、全く土地勘のない場所で救急車で運ばれたわけで、どこにいるのかなどさっぱり八兵衛なのだ。なので薬局の受付で
「あの〜ここはどこですかね。最寄りの駅はどこですか?」
と質問。
 
え?と驚いて処方箋に目を落とす薬剤師さん。整腸剤をもらいにきた患者であることを一旦確認した上で、もっぺん「え?」と言う。
 
悪いの腸だけちゃうの?
 
という心の声が聞こえてくる。
事情を説明し、自分は今、家からふた駅横の町にいる事を知ったのである。
 
 
薬をもらい駅に向かう道で、ムスコのガル男が言う。「ママの格好おもろいな」と。よく見るとグレーのノースリーブのカジュアルなオールインワンに歩きすぎて破れたインソールのファー付き皮のスリッポンにノーメイクという、季節ごちゃ混ぜ、わやくちゃな格好をしていたのである。
 
 
駅に向かっていた足は、方向を変え、タクシー乗り場に直行。出来るだけ人に合わずに帰宅できる手段を金で買うことにしたのだ。
 
 
明日は面接。
旦那は来れない。オカンがいけなければ編入試験自体が成立しなくなる。病院でできることは全部やってもらった。あとはアニマル流気合い戦法で立ち向かうしかない。
 
 
治したるからな絶対、そう誓うオカンであった。
 
 
 
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