結局1時間遅れで離陸した日本行きの飛行機。

昼時のフライトで1時間遅れ。腹ペコだが朝4時起きの我らに襲うは睡魔。喰う、絶対喰うんだ、と昼食が運ばれてくるまで必死に耐えていた時、ふとなんとも不思議な感じたことのない感情が湧いてきたのである。

「これって、もうアメリカに戻ってこないってことかぁ」

今日一日の動きは、一時帰国の時となんら変わらない。違うのは片道キップであるということ。そこをわかっていたハズなのに今頃急に往復でないことに気持ちが揺さぶられるのだ。

荷出しで我が家の家財が運ばれて行くのを見届け、スペイン語セニョールトリオを見送ったというのに、あの時には思わなかった、あぁもう帰ってくる家はないのかぁ、という想いが湧き上がる。言葉で表すと「寂しさ」になるのだろうが、それよりももっと「穴」というか「空洞」というかそういう気持ちになったのである。


ふと横を見ると、ムスコのガル男の目から涙がこぼれていた。


楽しかったんだな、ガル男のアメリカ生活。


母として少し誇らしく嬉しかった。
我が家は5年おきのスパンで海外ー日本の引越しが待っている。大人の5年など、「え?この間年が明けたと思たのに、もうお盆!?」みたいな去年も一昨年もついこないだ、くらいのモンだが、子供にとっては、人格形成やアイデンティティなどが出来上がる猛烈に細胞分裂の起きる時である。

いろんな考え方はあるだろうが、我が家は、行った先の土地の現地にどっぷりはまり込み、その場所が子供達の「故郷」になるように生活しようというスタンスでやってきた。

なので数年後の日本に帰った時の準備よりも、現地の今をとことん優先。当然帰国後の成績はガタ落ちになるが、構わない。またコツコツやっていく、そのプロセスを親子で切磋琢磨、楽しめばいいと。その時の葛藤やメンタルの持って行き方、保ち方、そこからの学びこそが貴重だと我が家は信じている。

ガル男の涙は、いい日々を過ごせたという証、シカゴやリノが彼の故郷になった証拠だと隣りで込み上げてくるものをグッと抑えたオカン。


ありがとう、アメリカ。
ありがとう、子供達よ。


オカンも有意義なアメリカ駐妻生活を送ることができた。




あ、アカン、忘れてた。



ありがとう、旦那。








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