日本に到着したその日は永田町近くのホテルにチェックイン。
すぐにシャワーをしようとまずはお手洗いへ入ったのだが...
なんや、なんや、このトイレ
座面のお尻が乗っかるところからふとももがのる部分にかけて、ゆるやかに斜めに下がっている。それがどうなのかというと、その便座の傾きのおかげで 、自然とほんの少し前かがみ態勢が作られるのだ。
つまり、お気張り態勢は、自らの意思ではなく、促されて作られていたということに、今更ながら気付いたのである。
あぁ、恥じる。
これまで当然のごとく「自分主導」と思い上がっていた。
アメリカのザ・まっすぐ便座に座り続けたおかげで、日本の匠たちの技と気遣いと優しさの塊設計であったことに気づけたのである。ハリウッド俳優たちがニッポンの便器、抱えて帰る気持ちがようわかった。
ところがだ。
その感動は2回目にトイレに座った時にはやや薄まり、3回目ともなると、もはや何も感じなくなってしまったのである。
アメリカに住み、不便になれるのに年単位かかっているというのに便利はあっという間に受け入れて日常になってしまう。
あのハムストリグたちの喜びの声を思い上がっていた自分への反省を忘れないようにしたいと思う。
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