夜6時。
夜の街リノにライトがつき始め、「らしく」なってきた。
ムスコのガル男が参加するコンサート会場前の案内看板にもライトがつき
いよいよ感が増す。
コンサートのチケットは、指定席、有料。指揮者で見えんなぁ、前のおっさんで見えんなぁ、となるのを避けるため、2回バルコニー席中央の最前列を抑えておいた。
ワクワクして、座席に向かうと、すでに見知らぬ3人家族が座っている。声かけてこっちが間違っていてはいかんと、再度、席番号を照らし合わせ、間違いないことを確認し、「あの~」と声をかけた。
ちらっとこっちを見て、目線を離し、無視。
なんで?
とややイラっとしたのだが、いやいや、これに乗ってはいけないと丁寧に
「Hの3なんですけど、この席のようなんですが、お持ちのチケットもHの3ですか?」
と、2重発行という場合もある、と思いたずねてみると
「そうだけど。」
と言って、その後会話を続けようともしないし、チケットを見ようともしない。
頼もしい図太さよ
「チケット見せていただけますか?」と促すと、出してきたチケットに印字されていたのは、J-3。
ほら、お宅らが間違ってますやんか、という確証と安堵感を得つつ「ここはHブロックなのでJ-3はいっこ横ですね」とお伝えすると「No!」とひと言いい、自信満々に座りつづける。
1ミリでもエエから腰をうかせろよ
そしてひと言「ここは私たちの席だから」と言い、奥さん、旦那さんの目を一度見て、その後二人して正面を見て無視続行。
オマエらの神経はチタンで出来てんのかっ
こうなったら、あの手で行こう、と周りの人たちを巻き込もう大作戦に打って出た。
運よく、我々の横にDVD撮影用のカメラクルーがいたので、ここHブロックですよね、と聞き、その真後ろ、右後ろとみんなにHブロックの確認をし、「そうよ、ここHブロックよ」と声を揃えてみんなが言ってくれたのだ。
さて、どうするこの家族。
すると奥さん、ハァ~とでっかいため息ひとつ落とし、ゆっくりと立ち上がり、「じゃぁJはどこなのかしらね」と吐き捨てられたので
「ご自身で確認してきてください」とやさしくきれいな弧を描くように最後の矢を放った。
1分もしないうちに、右横がJブロックだとわかり、シレ~っと座るその家族。
これ、ホンマは、「おっとっと、うっかりしてましたわ~、すんません」「いえいえ」の数秒で終わる事なのではないか・・・と思うと、いったい何に巻き込まれてもうていたのかわからんようになり、取り敢えず不思議事件簿に、(勝利)と書いて、ファイルしておいたのであった。
こういう時、矢面に立つのは、どうしてオンナなのか。旦那、後ろで動向伺う感じで立っていた。「オレのH-4は空いてるし~」と。オマエ・・・