用事をすませ家に帰ろうとしていた。先頭から3台目で信号待ちをし、青になり、大通りの交差点を左折(日本の方は右折で読んでください)するために交差点の中に入り込もうとしたとき、
 
交差する右側から、オレンジ色の旗をハタハタさせた車がやってきた。その後ろも、また後ろも。
巨人ファン?
 
いやいや。
この旗は、アメリカの葬儀の車の列を表すもので、教会から墓地へ向かう際、霊柩車を先頭にこの車列が十数台、いや時にもっと列をなし、ハザ―ドランプをチカチカさせながらゆっくりと進んでいくのだ。
 
 
亡くなった方へ敬意を表すために、この車は最優先となり、赤信号でもそのまま進んでいく。そして、その車列以外の車、つまりわたしたちは、その列を遮ってはいけないという習慣がある。
 
 
葬儀の車列とわかり、前二台は交差点に突っ込んでしまったのだが、ワタシは交差点に入り込むのをやめ、停止線のところで止まっていた。
 
 
それをよく思わないヤツがいた。
 
ワタシの後ろの車に乗る若いにいちゃんだ。
 
 
「オマエ、青やのに交差点入らずナニ止まっとんねん」
と言わんばかりにアホほどクラクションを鳴らす。
 
 
 
よくあるのだが、数台後ろの車というのは、葬儀の車列が前を通っているのが見えないのだ。いつも思う。なぜもっとデカい旗を車につけて「葬儀の車列でっせ」と走ってくれないのか。カブスの優勝かかってる時なんか、これ見よがしにデッカい旗ヒラヒラさせながら走ってたやないか。
 
今や、大きいのハタハタさせんの、今やーー
 
 
と思いつつ、ビービー鳴らされるクラクションを我慢した。しかし我慢できなかった後ろのにいちゃん。ワタシを追い越して交差点内に入ろうとしたのだ。交差点に入り込んで、気づく、オレンジの旗。
 
 
そういうコトや、わかったか若いの!
と静かに、しかし確実にほくそ笑み、スッキリしたワタクシ。
 
 
ビービ―鳴らす前に、なんか理由あるんとちゃうか、くらい思てくれ、ホンマ。
 
 
 

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