午後1時過ぎ、玄関のチャイムが鳴った。
玄関横の小さな窓から、青い制服の男性2人組が見える。
青い制服の二人組、には嫌な思い出がある。
3か月ほど前、その二人組は公共料金の請求書を見せてくれて、と来たのだ。聞くと、イリノイの法律で、公共料金が正当な金額を請求されているか調査しないといけない、というのだ。
ナニソレ?
私たちは政府から派遣されてるものです、とIDを見せたのだが、あっという間に閉じられた。
怪しさ倍増
「あ、すんません、全部捨ててるからありません」という絶対ウソやんというバレバレの返答で、なんとか逃げ切り、帰ってもらった。後で、バイブルスタディの先生に話すと、先生宅にも来ていて、追っ払い警察にも報告をしておいたという。
そのヤツらがまた来たのだ。
ムスメと二人息をひそめて居留守態勢に入る。すると、一人が家の周りを歩き始めるではないか。我が家角部屋。2方向がどっさり窓。
居留守、絶対バレる
ムスメとふたり台所へ逃げ込む。バレたか?とドキドキ。腰を低くしてかたずを呑んで見守る。
その男は玄関方向へ戻っていき、ひと気がなくなった。「今や」とムスメに声をかけ、二人で急いで2階にかけ上がり、窓から車を確認した。その車には
pest control
と書いてあった。
ペストコントロール・・・、害虫駆除・・・
あー!!これ、ハチの巣コロリ隊やん!!
あのうさん臭いヤツらとちゃう、玄関先にできたデッカイハチの巣を退治しに来てくれたんやんか~(その話はコチラ)と慌てて降りて玄関を開ける。
「よかった、いてたんやね」とお兄さんたち。
「今から薬かけるし、数時間は玄関からの出入りやめてな」と。
「2日もすれば、ハチは巣から完全にいなくなるから、2日後に巣を取りにまた来るし」とのこと。
こんな大事な話、居留守使って隠れてる場合とちゃうかった。
ハチの巣を見ると、そんなおったん?という数のハチが巣の周りをグルグル飛び回っている。
いつもはこないに激しくないよ、と伝えると、
「うん、さっき1回目のトリートメントしたから」と。
トリートメント・・・
髪に艶と潤いを与える?
あぁぁ、どんな頭ん中してんねん。処置や、処置っちゅう意味や。と自分の中でひとボケかましていたら
お兄さん、ヘルメットや特別な服に着替えることもなく、誤解を生んだ青い制服のまま
ハチの勢いが減っていく。
ほな、2日後にまた来るわな、と兄ちゃんたち帰っていった。
翌日。
秀逸な作業のおかげで、もうハチは一匹も飛んでいない。なんだろうか、ちょっとした感動すら覚えている、この滞りない作業とその出来栄えに。
そういえば、この家に越してから、初めてのちゃんとした業者作業なのではないか。いつもオーナーか、癒着友人よろず屋のその場しのぎの作業だったような。
シカゴ生活4年にして気づく。
アメリカ生活の良し悪しは、
オーナーと業者次第。
ポチっと、おおきに。