数日の東京滞在を終え、大阪へ移動。
右斜め後ろに、まだまだしっかりとは喋ることはできない、だいたい3歳かなぁ、と思しき子を膝に座らせた父子が窓側の席にいた。通路側にはサラリーマン風の男性が。
品川を過ぎたあたりで、「おい、コラ黙れ。はよ寝たらエエねん」とそのオトンが息子に言い放った。おそらくだが、その声が聞こえた近くに座る乗客みなが「まじでか」と固まったと思う。
隣に座るサラリーマン、あのひと、カッチカチに凍ってもうてたやろな・・
1時間ほどがたち、そのオトン、立ち上がり、息子を席に座らせた。「すいません、すいません」と何度も丁寧に頭を下げながらサラリーマン風の男性に言い通路に出た。その言動、まさか「オイコラ」とか言う人には全く見えない。
そしてそのオトン、すたすたと通路を歩いていく。
え、どこ行くん?
子供は?
トイレやとして、子供を席に置きっぱなし?
ま、新幹線やし、次の駅まではだいぶあるから、子供が勝手に降りることもない。ないケド、泣きだしたらどうする、的なもしもシリーズは頭にないんやろか。
タイに赴任していたときの一時帰国なんか、3歳のムスメと生まれて数か月のムスコを抱え、搭乗ぎりぎりでトイレへ行き、次のトイレはもう関空、と腹をくくって乗っていたのをふと思い出した。
このオトン、大胆やな。
かわいそうなのは、その置いてけぼりの息子の横に座っているサラリーマン。
頼まれてもいないケド、そら、なんかあったら、「オレ」がやるんやんな・・・的なソワソワ感が漏れ出している。実に気の毒。何かあったら、助けてあげようと私もスタンバイしていた。
しかし待てどくらせどオトンが帰ってこない。
お腹壊しはったんかな?
いやいや
全然帰ってけーへん。
え?ナニコレ?
なんかアカンやつ?
と不安になりだした。だいたた10分ほど経過して、前方のドアが開き、オトンが見えた。あ~、よかった、と思ったその瞬間。
うっわっ、タバコくさっ
ものすごい煙たいニオイひっさげて戻ってきたこのオトン。
喫煙室行ってたん?
子供を置いといて・・・?
とあっけに取られてしもたワタクシ。
小さな息子は泣くこともなく、じっとしていた。これ奇跡。まぁ、そういう子だとわかっているからの「置き去り喫煙」なんかもしれんけど、このオトン、この子供にだいぶ助けられていると知ってるんやろか。
このオトンに伝えたいことは山ほどあったが、どんな事情があんのかもわからんし、周りは何も言えないこの状況。
後味の悪さだけが残った感じですわ・・・。
ポチっと、おおきに。