今日は娘のチアリーディングの発表会。 英語でShowcaseと言う。いちいち格好いい。
ちびっこから8年生まで学年ごとのチームで青マットの上で演技を披露する。
各学年が入場してくる。
自分の子供大好きなアメリカ人たちの盛り上がり、半端ない。
するとオープニングセレモニーとして、デビューしていくらほどなのかはよう分からん男性歌手が登場した。
ハーイみんな、元気かーい?
とまだ全然あったまっていない親たちが座る客席に向かって言い出す。
空気読めよ・・・・
これから、オレが作った歌を歌いたいと思う。
イジメに関する歌だ、きいてくれ、「いじめ あかん」
そう言って気分良さそうに歌い始めた。
青マットの上には、ちびっこたちが何やらプラカードのようなものを持って座っている。
イジメやめよう、だの私もあなたも同じ、だの書いてある。
あいつ、青マットの上を縦横無尽に動きまくって熱唱している。
聞いたこともない歌や。そして、サビの部分でやつは言う、カモン!
何をやねん。
お前の曲、知らんねん。カモンゆわれても、何ゆうてエエか、さっぱりわからん。
そして、手を上にあげ、右、左にゆっくり振るように求めてくる。
300人ほどいた観客席を見る。
ノリのいいアメリカ人が、見事に誰一人として手を振っていない。
そんな状況を見兼ねた人たち数人が遠慮がちに手を振りだす。
そこそこ長い歌が終わり、彼はサンキューと言ってはけていった。
やれやれと言った表情を浮かべる親御さんたち。
ショーが終わり、フィナーレとなった時、司会者が言う。それでは最後にマットの上にチアリーダー全員集合、曲に合わせて踊ろう、と。
私たちの後ろの席に座るおじさんが言う。
まさか、アイツが来るんじゃ・・・・
おっさん、大正解。
アイツがまた歌いだす。さっきとは違うアップテンポな曲で。
客席から失笑がもれる。
どんどん歌いだす。
ノリのいいチアリーダーたちですら、受け入れられず、彼とチアリーダーとの間に不思議な空間が生まれていた。
アイツのハートは相当強いのだろう。
大声で言った。ヘーイ、プッチョーハンズアップ!
恥ずかしぃて、できへんわ!!
曲が終わり、アイツが言う。
今からロビーでオレと一緒に写真がとれるぜ!
どこまでハート強いねん。