本日は、
記憶のメカニズムについて考えたいと思います。
わたしたちが認識する世界には膨大な情報が含まれています。
脳はすべてを認識する事はできないため、
RAS(網様体賦活系)によるフィルターをかけ、
自分が意識的に重要と考えている情報だけを取り込みます。
逆に考えると、
自分が重要と考えていない情報はふるいにかけられ、
ほとんどの情報は捨てられてしまっているのです。
学習や体験から得られる情報は、脳にインプットされた際に、短期記憶として、一旦脳の海馬という部分に蓄えられます。
そして、"重要だと強く意識された情報" のみ、
睡眠時に長期記憶に変換され、記憶として残ると言われています。
では、
長期記憶として情報を残すためにはどうしたらいいでしょうか?
2つのポイントがあります。
ひとつは、その情報が "重要だと思い込むこと" が大切であることがわかります。
もう一つは、脳は "失敗駆動型" で情報の重要性を判断するという点が大切です。
あなたも ”失敗したことはよく覚えている” という感覚はよくわかるのではないでしょうか。
これは、人間の生存本能と深く関わりがあります。
狩猟採取時代には、ちょっとした失敗が命取りとなっていました。
どう猛な動物に遭遇した際に、
少しの判断ミスで、命を失うリスクが非常に高かったと考えられます。
生存するためには、過去の失敗を詳細に記憶し、
次にリスクが発生した時に、その情報を活かす必要があったのです。
そうやって、人間の脳は、何か失敗すると、
失敗という情報をしっかりと記憶するようになっていったのです。
この"失敗駆動型"という脳の性質を記憶に活かす方法があります。
それは、予測しながら情報をインプットするという方法です。
チーム戦でゲーム性のあるスポーツしたことがあるひとは、
この感覚をよく理解できるのではないでしょうか。
たとえば、サッカーのディフェンダーを考えてみましょう。
相手チームの選手がボールを保持しながら自陣に攻めてきた際に、相手選手が自分で突破しようとするのか、味方にパスを出そうとするのか、予測するはずです。
予測が外れると、自陣のゴールが脅かされることになるので、
ディフェンダーはそのときのことを強く記憶し、次に似たような状況が生じると、うまく対応できるようになります。
読書の場合には、話の展開や論理がどうなっていくか予測してみるとよいです。
かなりアタマを使いますが、自分の予測が外れた場合には
「なるほど、そういうことか・・」、と予測が失敗したことにより、論理の展開や内容が記憶に残り易くなります。
よほどの知識が無い限り予測が当たることはありませんので、
どのように予測しても失敗することが多いのですが、予測を手抜きしないことが重要です。
アタマでしっかり思考し、予測することで、思考力の鍛錬と予測の失敗による情報の記憶という一石二鳥の恩恵が得られます。
本日のまとめです
・脳はRASによるフィルターでほとんどの情報を捨てている。
・脳にインプットされた情報は一旦短期記憶に蓄えられ、重要と判断した情報のみ睡眠時に長期記憶に変換して残す。
・情報を長期記憶として残すには、その情報を重要と思い込むことが大切。
・脳は"失敗駆動型"である。
・予測しながら読書すると、思考力と長期記憶という一石二鳥の恩恵を得られる。
それではまた。
