ブサイクな友人の子作り
最近、ブサイクな友人が結婚した。
「お前、子作りしてるのか ?」
「してるよ、当然」
「酷な事するよな」
「何が酷なんだよ」
「子供に、お前のブサイクの遺伝子、引き継がせるって事になる訳だろ」
「ああ、その点については、ちゃんと考慮してるよ」
「どう考慮してるんだよ」
「ドリップコーヒー作る時に使う、紙のフィルターがあるだろ」
「ああ」
「子作りする時は、嫁さんのデリケートゾーンに、あの紙のフィルターを装着して、俺の精子をろ過して、ブサイクの遺伝子を取り除いてから子作りしてるから」
「ああ、なるほどな。で、紙のフィルターには、コーヒーのかすみたいに、お前のブサイクな遺伝子だけが残って、それを捨てるのか」
松本伊代さんの年齢
ある日、友人に話し掛けられた。
「松本伊代のセンチメンタルジャーニーって曲、知ってる ?」
「ああ、知ってるけど」
「あの曲の中に、伊代はまだ・・・16だから・・・っていう歌詞があるだろ」
「ああ」
「あれって、満じゃなくて、数えだったんだって」
「えっ・・・満16才じゃなくて、数えで16才だったって事か ?」
「ああ」
「・・・今度、聴く機会があったら、良く聴いてみろよ・・・伊代はまだ、の後に、数えでって、バックコーラスが入ってるから」
「バックコーラス ? ・・・」
「ああ・・・伊代はまだ(数えで)16だからー、って」
「本当かよ」
「本当だって・・・当時、公安が動いたらしいぞ」
「公安が !?」
「ああ」
「なんで、公安が動くんだよ」
「あの見た目で、満16才は有り得ない。どう見ても数えで16才だろ。年齢詐称なんじゃないかっていう事になって」
「そんな事で、公安が動く訳ないだろ・・・そもそも、見た目で判断できる訳もないし・・・何ヶ月しか違わないんだぞ。満と数えじゃ」
「本当だって・・・あと、グリーンベレーとも連携してたって」
「あの有名な軍隊のグリーンベレーと公安が連携 ?」
「ああ、持ちつ持たれつだったんだって・・・公安とグリーンベレーって」
「持ちつ持たれつ ? ・・・」
「で・・・グリーンベレーが、伊代ちゃんの身辺を嗅ぎ回ってたら、伊代ちゃんに見つかっちゃったんだって・・・」
「アイドルに見つかるって・・・グリーンベレー失格だろ」
「で、伊代ちゃんが、毎日グリーンベレーを見張ってたら、伊代ちゃんの視力が、ちょっとだけ良くなったんだって」
「ああ・・・遠くの緑を見てると、視力が良くなるって言うからな」
検事の呼び方
検事の呼び方について考えてみた。
例えば、田中さんという検事がいた場合、ドラマなどでは「田中検事」と呼んでいる。
しかし、もし、田中さんの下の名前が健二だった場合はどうするんだろう。
後輩が田中さんの事を「田中検事」と呼んだ場合、先輩の事を「田中健二」と、フルネームで呼び捨てにしたようにも聞こえる。
なので、後輩は、その時々の感情で、頭の中で思い浮かべる二つの「たなかけんじ」を使い分けるのかもしれない。
普段は「田中検事」を思い浮かべながら呼んで、腹が立っている時は「田中健二」を思い浮かべながら、公然と呼び捨てにしたりとか・・・
そんな光景を妄想してみた。
「田中検事」
後輩が、田中検事に声を掛けた。
「お前、今、俺の事、フルネームで呼び捨てにしただろ」
「してませんよ」
「田中健二 !」
別の後輩が、田中検事に声を掛けた。
「今の語尾の強さは、絶対、フルネームで呼び捨てにしたな !」
「してませんて」
「おい ! 田中健二」
また、別の後輩が、田中検事に声を掛けた。
「お前・・・」
「だから、フルネームで呼び捨てになんかしてませんて」
「おい ! の時点で駄目なんだよ !!!」
と言って、田中検事は、後輩の頭を叩いた。