こんにちは。
先日のことになりますが……
主任を務めている『winelover』ワールドワインクラスの最終回となる
レストラン講座が開催されました。
今回の会場は、今年4月にオープンした注目の商業施設
『GINZA SIX』の最上階のレストラン『THE GRAND GINZA』
同店では、47都道府県の魅力ある食材を使ったオリジナリティあふれる
モダンフレンチを楽しむことができます。
ダイニングにラウンジ、個室やバーなど、空間演出も多岐に
渡っているのですが、木曜日クラスは趣ある和の設えが印象的な
個室をご用意いただくことができました。
齋藤シェフの洗練されたお料理に合わせるのは、田辺先生が
セレクトしてくださった、世界で注目されている旬なワイン達☆
銀座の夜景と共に、世界を巡るワインクルーズを楽しみました。
さっそく、今回いただいたお料理とワインのマリアージュをご紹介
したいと思います!
Grace Extra Brut 2012
乾杯は、中央葡萄酒がトラディショナル方式で
造るシャルドネ100%の希少なスパークリングワインで。
デキャンタのWorld Wine Award 2016でプラチナ賞と
ベストアジア賞を獲得し、世界の注目を浴びるようになった
日本が誇るスパークリングです。生産本数が3000本にも
満たないうえ、需要はうなぎのぼり。なかなか手に入り辛くなっています。
そんな貴重な泡に合わせていただいたのはコチラのアミューズ
3種のグージェール(生ハム、クリームチーズ、海老アボカド)
グージェールの生地の香ばしさ、生ハムの塩味、クリームチーズの
まろやかさ、アボカドのバターのようなコク……食材の持つ様々な
要素が、スパークリングワインのリッチな酸とミネラル、クリーミーな
口当たり、樽熟成によるふくよかさ、そして瓶内熟成による香ばしさと
同調し、食欲を増進させてくれました。
そして我々は日本を出発し……いざドイツはファルツへ。
仏アルザスと隣接し、フランス側にも畑がまたがっているという
稀有なワイナリー、フリードリッヒ・ベッカーのロゼを。
Becker Petit Rosé 2015
自己所有する森の木のオークを使い、自然に根ざした農法を実践
するなど、独自のアプローチでワイン造りを行っている造り手。
今やドイツのピノ・ノワールのトップ生産者にのぼりつめています。
ロゼワインはもともとベッカー氏が自家消費用に造っていたもので、
シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)にポルトギーザーが
ブレンドされています。美しく凛とした酸や、芯の通ったミネラルに加え
ほんのり旨みを伴う滋味深い余韻や複雑味も感じることができます。
こちらに合わせて楽しんだ前菜は……
岩手県産ブリとサーモンのラビオリ仕立て
八幡平の紅葉のイメージ
鮮やかでアーティスティックなお皿が目の前に登場すると
わぁっと、嬉しい歓声が。オレンジ、ピンク、イエローといった
紅葉をイメージした色調が深まっていく秋を感じさせてくれます。
そこに寄り添うのが美しいサーモンピンクのロゼ。
野菜のフレッシュさや、サーモンやビーツの美しい色彩に
心地よくワインが溶け込んでいきます。ストーリーを紡ぐような
抒情的なマリアージュを楽しむことができました。
さて、次に飛んだのは……トレンディなワイン産地のひとつでも
ある南アフリカ。西ケープの‟エルギン”という標高が高く海に
隣接している場所に位置する畑から生まれる、「南ア最高峰」と
言わしめるシャルドネが登場です。
Richard Kershaw Elgin Chardonnay Clonal Selection 2015
こちらを手掛けるリチャード・カーショウはイギリス出身の元シェフで、
世界で最も難関と言われるワイン資格「マスターオブワイン」を保持して
いることでも有名。2012年がファーストヴィンテージという歴史の浅い
造り手ですが、数年でスターダムに躍り出た名手です。
ワインは心地よいタルのボリューム感があるものの、MFLをしないこと
により、シャープな酸がキープされていて、余韻に海風を思わせる
塩味をしみじみと感じることができます。
こちらと共に味わったお魚料理は……
赤メバルとホタテ貝柱の「秋田かやき」ベルモットソース
秋田伝統野菜を添えて
「秋田かやき」とは魚介類や季節の野菜をじっくり煮込んだ郷土料理。
そこに合わせるのはバターやエシャロット、そしてノイリーが香る
濃厚なベルモットソースです。ソースの持つコクと酸味の両者が、
ワインが持つタルの心地よいボリューム感、そして凛とした酸に
同調し、魅惑的なマリアージュに。
そして、目玉ワインの登場です。
Sassicaia 2014
「イタリアワインの至宝」と呼ばれている、スーパータスカンの頂点に立つ
サッシカイアの最新ヴィンテージ。カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・
フランの極上のボルドーブレンドです。2014年ヴィンテージは、
サッシカイア至上最も「エレガント」と評されていて、タンニンもスムーズで
実に上品。ボリューム感の中に、若いうちから楽しめる親しみやすさも
併せ持っているのが特徴です。
こちらに合わせていただいたのは……
オーストラリア産もも肉の6時間低温調理
濃厚な赤ワインソース トリュフジャガイモの付け合わせと共に
低温調理で柔らかく仕上げられたキメ細やかな赤身肉の質感に
サッシカイアの緻密なタンニンが寄り添います。ワインの濃厚な果実味、
スパイシーな余韻、そして仄かなトリュフのニュアンスもまた、肉料理を
より複雑で奥深い逸品に昇華させてくれました。
さて、スーパータスカンの余韻にひたりながら……
最後にデザートワインの登場です。舞台は南半球、オーストラリアへ!
Chambers Rosewood Vineyards Rutherglen Muscat
チェンバーズは5代つづく家族経営のワイナリーで
「フォーティファイドワイン業界のキング」と呼ばれているのだとか。
今回のフォーティワイドワインは、マスカット果汁がアルコール
発酵している途中にスピリッツを加え発酵を止めて甘味を残す、
仏のVDNのようなアプローチで造られます。さらにソレラシステムに
よって熟成させることにより、奥深く厚みのある熟成香を呈するから
興味深い。
こちらに合わせたデセールは……
口どけのよいショコラオレのガナッシュ ベリーピュレと共に
まるでルビーのような煌めきを放つ美しい一皿。ワインの持つ成熟した
ベリーのニュアンスやナッティーな風味が、香ばしく濃密なショコラオレの
ガナッシュに寄り添います。高いアルコール感が加わることに、
可愛らしいデセールも複雑味ある大人のフレーバーに進化するから
興味深い!
琥珀色の色調と共に……うっとり重厚なひとときを過ごすことができました。
そして……1年間のwinelover講座を修了された方には
ディプロマの授与が☆
本当におめでとうございます!!
ワインは単体でももちろん素晴らしいけれど、
お料理に合わせることで、また違った次元の楽しみがあり、
そのマリアージュの世界がまた奥深くて……
今回も本当に興味深い体験でした。
ご参加くださった皆様、楽しいひとときをありがとうございました。
ご協力くださった「THE GRAND GINZA」の皆さまにも感謝です。
さてさて、次回のwineloverブルゴーニュクラスも土曜日クラスは満席。
私の担当する木曜日クラスも残席わずかとなってきています。
ご興味ある方はぜひ☆
▼wineloverブルゴーニュクラス
帰りがけにGINZA SIX屋上に期間限定オープンしている
VOGUE LOUNGEでシャンパーニュLansonを一杯だけ……
秋風がどこまでも心地よく、幸せな気分で帰途につきました。
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THE GRAND GINZA