オーストラリア大使のブルース・ミラー氏
はじめ、参事官のジュリアン・メリマン氏、
各ワインスクールの講師の皆様、そして
インポーターの皆様が一堂に会し、
厳選オーストラリアワインを皆で堪能するという
とても貴重な機会となりました。
登場したワインは8種……
①泡:House of Arras Tasmania
Arras EJ Carr Late Disgorged Chardonnay Pinot Noir 2001
貴重なファーストヴィンテージである2001年の
タスマニア産スパークリングで乾杯。しっかりと
熟成を経ていながらもタスマニアらしい凛とした
酸とフレッシュさは健在で、しなやかで味わい深い
極上の一杯でした。
②白:Hardys HRB D644 Riesling 2010
クレアヴァレーとタスマニアのリースリングを
絶妙な割合でアッサンブラージュさせた、
華やかなアロマと複雑味を誇る一杯。
オーストラリアのリースリングの魅力と
ポテンシャルを再認識させられました。
③白:Curly Flat Lacuna Chardonnay 2011
樽を一切使わず、ブドウ本来の果実味と
テロワールの個性を引き出した、ヴィクトリア州の
シャルドネ。活き活きとしたシトラスやミネラル
が口中に広がり、エレガントな余韻に繋がります。
④赤:De Bortoli Yarra Valley PHI Pinot Noir 2012
ヤラヴァレーのエレガントなピノノワール。
華やかなベリーのアロマにふと混じる
ユーカリやメンソールのアロマが、ワインに
清涼感をもたらしています。きめ細やかな
タンニンと心地よいタルの風味も絶妙。
⑤赤:Wynns Coonawarra Estate
John Riddoch Cabernet Sauvignon 2010
クナワラにおける最初の生産者による
カベルネ・ソーヴィニヨン。この地域ならではの
テラ・ロッサ土壌の魅力が最大限に引き出された、
エレガントでポテンシャルの高い、長期熟成型。
⑥赤:Moss Wood Cabernet Sauvignon 2002
こちらは西オーストラリアはマーガレット
リヴァーのカベルネソーヴィニヨン(プティ
ヴェルドとカベルネフランもブレンド)。
10年以上もの瓶熟成を経ているにも
関わらず、フレッシュさとエレガントさを
失わない、スケールの大きい1本です。
⑦赤:Kaesler Wines The Bogan Shiraz 2006
オーストラリアワインを象徴する品種のひとつ、
バロッサ・ヴァレーのシラーズ。こちらはアメリカン
オークを一部使い、果実味とボリューム感が
しっかり引き出されています。とはいえしつこさは
全くなく、のびやかで洗練された味わい。
⑧赤:Spinifex Indigen 2006
こちらはバロッサヴァレーのシラーズに
マタロ(ムールヴェドル)がアッサンブラージュ
された、生産量の少ない貴重な1本。
自社畑を持たないで、厳選ブドウを購入して
自社醸造するというスタイルをとる気鋭の
造り手。骨格ある果実味と、凛とした酸・
タンニンのバランスが見事。
以上、8種類のワインをインポーターさんや
講師のみなさまの解説をうかがいながら
堪能しました。
お料理もオーストラリア食材を多用した
印象的なものばかり。
そしてメインはオーストラリア産ローストビーフ。
味わい深い赤ワインソースがたっぷり添えられていて、
ワインとの至福のマリア―ジュを楽しむことが
できました。
力強くて、チョコレートやコーヒーみたいに
濃密でパワフル……
オーストラリアワインというと、どちらかというと
そんな赤ワインのイメージばかりが先行して
しまいがちですが、こんなにも多様性、そして
エレガントさに満ちているなんて!
同国のワインの魅力を再認識しました。
いま、オセアニアにおけるガストロノミー事情も、
日々進化していますが、それに追随するべく
ワインのスタイルも、よりスタイリッシュで
より洗練されてきているのかも……。
今回のディナーではそんな印象を持ちました。
そして何より業界の大先輩方とご一緒し、
こんな貴重な場に参加させていただいた
ことに感謝。
今回収穫したことを、受講生はじめ
多くの皆様に良い形で発信できたらうれしいです。
本当にありがとうございました。