こんにちは。
先日ついに、冬の軽井沢へ行ってまいりました。
その目的は……ホテルブレストンコートの
注目のフレンチレストラン、yukawatan(ユカワタン)
を再訪するためです。
前回 はオープニング前のプレス試食会で
お伺いしたのですが、「更に進化している!」
というウワサをあちらこちらで聞いており、
とても気になっていたのです。
さらに、コチラ でもご紹介した通り、同店
総料理長の浜田シェフはボキューズドール
国際料理コンクールにて、アジア代表選手
としての出場が決まっています。
大会前にお会いして、微力ながらもシェフを
激励すべく!新幹線に飛び乗ったわけです。
ユカワタンはホテルからは少し離れた
森の中の別棟に位置しています。
まるで別荘にお招きされたかのような感覚。
周囲はイルミネーションで彩られ本当に
ロマンチックです!
今回は、この土地でしかいただけない、
信州の、そして日本の魅力がたっぷり
つまった浜田キュイジーヌを、しっかりと
堪能させていただきました。
さっそく、いただいたワインと共に
ご紹介させていただきますね。
小布施ワイナリー
まずは長野産のシャルドネをトラディショナル
製法で仕上げたスパークリングワインで乾杯!
かなりドライなスタイルですが、小樽で酸化
熟成させた原酒を加えているため、後半に
ふくらみがでて奥深い余韻を残します。
小布施スパークリングのお供に、香ばしい
チーズの旨みたっぷりのチュイルをパリっと
つまみます。こちら、松本の清水牧場の
バッカスを使っているのだとか。
そして、このチュイルの台となっている石は
シェフが湯川から拾ってきた浅間石なのだ
そう……。こんなところからも信州の地への
愛情がつたわってきます。
その後、何やら可愛らしい植木鉢が!?
壊すのがもったいない、、、という気持ちを
おさえつつ、植木鉢の土(?)を掘り起こす
と、中にはホックリまろやかなジャガイモ
のムースと旨みたっぷりの牛テール肉が
隠れていました。土と思っていたものは
香ばしいそば粉!それぞれの食感と
味わいが三位一体となって口のなかで
キレイに調和してゆきます。
六種のアミューズ
そして彩り鮮やかな六種の石の上には
小さなアミューズが前菜からデザートまで
コース仕立てになって登場!
コースの中にコースがあるなんて……ちょっと
「おままごと」みたいで、童心にかえって楽しんで
しまいます。とはいえ、この完成された味わいは
アジア代表シェフのなせる業。シェフの素晴らしい
技術と遊び心の両者を垣間見ることができました。
信州リンゴと信濃雪鱒のシャルロット仕立て
この宝石のような一品をご覧ください!
表面にはその卵がたっぷりと敷き詰められた
信濃雪鱒のタルタルです。透き通るように
薄くスライスされた信州リンゴが周りを彩り
レースのよう。魚卵のリッチな味わいと旨みを
リンゴの軽やかな酸が支えます。
そして合わせたワインは……
中央葡萄酒 キュヴェ三澤 甲州鳥居平 2009
魚卵とワインをうまくマリア―ジュさせるのは
非常に難しいのですが……。ここで大好きな
グレイスワインさんの貴重な甲州をご提案
くださいました。心地よい果実味を繊細な酸と
ミネラルがしっかり支え、エレガントで奥深い
余韻がどこまでも続きます。そして、ラストに
仄かなほろ苦さと旨みが感じられ、そのきめ
細やかな複雑味が浜田シェフのお料理に
ピッタリとマッチするのです!
今回は、このグレイスワインの醸造家である
三澤彩奈ちゃんとご一緒したのですが、
(いつもそう感じるのですが……)本当に、
彼女の洗練された雰囲気を映し出したような
スタイルです。
甲州の素晴らしさを改めて実感させてくれる
素晴らしいマリア―ジュでした。
フォアグラのふくよかな味わいとなめらかな
食感を、ピオーネのソースの優しい甘みが
引き立てています。そして合わせたワインは……
「信濃リースリング」はシャルドネとリースリングを
交配したマンズワイン独自の品種。ワインに
葡萄果汁をそのまま添加するというジュース・
リザーブ法により、ブドウ本来のナチュラルな
甘みを感じることができます。その心地よい
甘みがフォアグラの味わいをより一層リッチに
変化させてくれました。
さて、お次はホッと滋味深い一品。
コラーゲンたっぷりのスッポンのスープは、
どこまでも優しいお味で、身体とお肌と
心にじんわりと染みわたります……。
今度はパリっとしたソバの実をまとった
信濃雪鱒。濃厚且つ滑らかなサバイヨン
ソースをたっぷりつけて堪能します。
ソバの独特な香りと食感がこんなにも
フレンチのソースと相性が抜群だなんて……
はじめて体験しました。
城戸ワイナリー 城戸プレミアムシャルドネ 2009
合わせていただいたのは城戸ワイナリーの
シャルドネ100%。木樽による甘く香ばしい
かおりがソースのコクやソバの実の食感と
マッチ。桔梗が原の極上のテロワールを
感じさせてくれます。さらに熟成させると、
もっと素晴らしくなりそうなポテンシャルを
秘めた一本でした。
さて、いよいよコースも佳境に入って
ラストは長野産のピジョンを、どっしりとした
ブータンノワールのソースでいただくという、
肉好きにはたまらない一品。この独創性
あふれるお皿に挑戦するワインは……
BEAU PAYSAGE TSUGANE la montagne 2008
山梨県の津金で、醸造家の岡本英史氏が醸した
メルロ100%。色調もかなり明るめなのですが……
香りや味わいも赤系果実のニュアンスを呈し、
メルロとは思えないほどの軽快さ。酸も凛として
引き締まっています。上品さと野性味の両者を
併せ持つメインの鳩も、このブルゴーニュのピノ
さながらの奥深さを誇る一杯とは、ごく自然に
マッチしたのでした。
さて、ここでフロマージュを。驚くことに
清水牧場や風の谷ファーム、そして開田高原
ファームなどやはり信州の農場にてつくられた
ものばかり。造られた場所の地図とメニューが
描かれたカードをじっくり眺めながら……
アミューズからデセールまで一通り堪能
したのでした。
合わせて小布施ワイナリーの甘口を2種……
リースリングファミリー アウスレーゼ 2002
ブドウの天然の甘さが凝縮されていますが、
酸はしっかりあるので、引き締まった甘さで
爽やかです。
Sogga pere et fils
Amarone Type Merlot 2004
一方こちらはアマローネタイプ。メルロを
陰干しして糖度を高めてからアルコール
発酵をさせて造ります。凝縮された果実味や
甘みのみならず、豊かな樽のニュアンスまで
しっかり感じることができる、ボリューミーな
一杯です。
どちらの甘口ワインも其々スタイルは違う
ものの、チーズの様々な個性としっかり
マッチするものが多く、どちらが合うか……
考えながら楽しく飲ませていただきました。
ここで……
「シェフからデザートワインのプレゼントです」
と言われ、こんなものが運ばれてきました。
なんとグレイス甲州のボトルがこのまま
ケーキになっているのです!細部にまで
わたるエチケット表記もなされていて
とても手が込んでいます。こんなサプライズ
までご用意してくださるなんて……かなりの
驚きと喜びでした!
彩奈ちゃんと。このケーキはグレイスの社長
さんでいらっしゃる彼女のお父様へのお土産に
お持ちいただくことに!
柚子の香がたっぷりつまった爽快感あふれる
デセールの後は、色とりどりで食べるのが
もったいなくなるような小菓子が並びます。
リンゴの形をしていたり、まるでシガーの形を
していたり……と本当に手の込んだプレゼン
テーションで、決して食する人を飽きさせる
ことがありません。
最後のコーヒーは……こだわりにこだわり
抜いて誕生した「究極のコーヒー」こと
グラン・クリュ・カフェです。コーヒーの特級畑
というだけあって、酸の経ち方も極めて
マイルドで、コーヒーからフィネスを感じます。
同店の優しいスイーツたちとも好相性を示して
くれました。
以上、極上コースを堪能させていただきましたが……
シェフの技術の高さと表現力の豊かさに
改めて感服してしまいました。どのお皿も
見た目はアートのように美しく、一方味わいも
すばらしく、更には心地よさや遊び心に
満ちています。
遠出をしてでも必ずや行ってみたい名店です!
あやなちゃん、浜田シェフ、
ウワサ通り……いや、想像を上回る進化を見せて
くださったシェフのお料理、素晴らしかったです。
「その土地ならでは」のテロワールの魅力を
前面に出したオリジナリティもまた印象的でした。
そして今回、とっても素敵なワインの本を
プレゼントしていただいたので、こちらは改めて
ご紹介したいと思います。
軽井沢の唯一無二のレストランにて過ごした
至福の時間……。幸せなひとときを
本当にありがとうございました。
※おまけ※
この日の宿泊は、軽井沢の「星のや 」。
このお宿の世界観もまた、大好きです。
日ごろの慌ただしさを忘れ、すっかりハネを
延ばすことができました。
information
ホテルブレストンコート ユカワタン
長野県北佐久郡軽井沢町星野
0267-46-6200
(ホテルブレストンコート代表)