何処かの街の何処かの店で何かをしていた時にこの歌が流れていて、僕は背筋が、うなじが、腕の皮膚がゾワリとした。
うわ、カッコいい。なんてクールでイカしてるんだ。
終始、囁くようなハスキーボイスが続く。
サビでも声のトーンが変わらないロックって新しいな、おい。
そしてそれから2ヶ月たち、一日中YouTubeを観てボンヤリとしていて、何かのきっかけで、チックの症状を検索している時に自分がチック症だということを告白しているインタビューで、彼女を観た。
個性際立ち、美人で自由奔放なインタビューに惹かれ、ビリーアイリッシュという、今世界を圧巻している17歳のポップスターだと知る。
へぇー。そうなんだ。
と思い、ビリーアイリッシュと検索し、出てきたのがこれだった。
何処かの何処かで聴いたあの歌だ。
歌もさながらPVもクールでキュート。
自由奔放にPVの世界を駆け回る強烈な個性。
僕は前まで流行っていたガガ等の女性シンガーライターにセンスを感じなかった。
ただ、時代に合っていて、派手なだけで、歌声にもヴィジュアルにもメロディにも魅力を感じない。
メッセージ性があると見せかけて、実は無い、中身の無い、それこそ派手でショックを与えることで印象を与えているようにも見せる。
ポップスターで高嶺の花の自分を気取っている。
劇薬にしかならない。
だけど、彼女は劇薬ではない。
まず、真似出来ない囁くようなハスキーボイス、気持ち良く耳に残る中毒性のあるメロディ、時代に合っていて、また新しいミステリアスで刺激的なヴィジュアル。
刺のある歌詞。
それでいて親密さを感じる。
そして、歌詞に社会派のメッセージが痛烈に込められている。
アメリカは今、10代後半の若い人たちが麻薬に溺れ、自殺率が世界最高水準だと言う。
そんなメンタルの弱っている若者の心に響き、彼ら、彼女達のフォローアップになるメッセージが特に素晴らしい。
親密さがあるからこそ、励みになるのだ。
ミステリアスでクールでキュートで刺激的だから好きになるのだ。
彼女は気取っていない。
高嶺の花ではなく、親友のように身近に感じる。
いつも自分でいる。自由な自分を爆発している。
PVでも、インタビューでも、ライブでもそれは変わらなかった。
そんな彼女だからこそ、世界に受け入れられる。
それでいて倫理観、道徳的な価値観がとても高いとは恐れ入る。
次世代のポップスターはついにここまできたか。
本物が登場してきて、嬉しいばかりである。