日本各地に伝わる「送り狼」のお話 | 馬たちの秘宝館(動物たちの・・・)

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私にとって馬とは癒され,そしてなごまされる感じでしょうか。
このブログで少しでも,<<<なるほど>>>
と思っていただければ幸いです。   
あなたを癒してあげます。


以前は、合コン帰りに可愛い娘を送るっていう男に

「送り狼」になるなよ!って散々注意していましたけど

現在は、草食系男子が多くて、時には狼になってみろよ!

って、はやしたてたりする昨今ですが・・・。



さて、この「送り狼」・・昔々には、夜道の峠を帰る時、

狼が後をつけてくるという「送り狼」の話しが

日本各地にはあったそうで・・・。


地方によりそれぞれ違ってきますが、

例えば、

ある日、一匹の狼が人間の取り付けた罠にまんまとひっかかり

苦しんでいるところを、通りすがりの旅人から

助けてもらったことに恩を感じ、そのお礼に

その旅人を他の狼の襲撃から守って、人里まで

無事に送り届けてくれた、という「送り狼」の返礼話。

もう一つは、

少しでも、隙あらば旅人を取って食おうという

油断のならないお話。

もしも、狼に後をつけられてしまった旅人は、

転ばないように注意して歩かなくてはなりません。

狼は人が転ぶのを待ち構えて襲ってくるのです。

こういう物騒な送り狼に対して、昔の人達も

色んな工夫を凝らして防いでいました。


狼は人の頭を前から後ろから何回も飛び越してくる為

ある武士は、むき身の刀を頭上に掲げては、

飛び越されないように防御したり、農民は鎌を掲げ、

女は長いかんざしや木綿針を髪に挿し、また、

武器を持たないものは、爪を長く伸ばしておいて

頭上にかざすとか帯やふんどしなど、長いものを結んで

後ろに垂らして引きずって歩けば、狼がそれに気をとられ

ている間にそれを捨てて逃げればよいとか昔の人達は

それなりに真剣に考えたようです。
(平岩米吉:『狼 その生態と歴史』による)

 ちょっと、真剣な割りには笑えますけどね・・( ´艸`)



狼に後をつけられたとき、急に走り出したり転んだりするのは

危険だというのは事実のようで、狼には鹿やウサギのように

走って逃げる獲物を追いかけて、噛み倒す習性があるそうです。

この習性は、狼を祖先とする犬にもまさしく残っているようです。