お客様には訪問介護の会社が多いです。初期費用が低いので始めやすいからだと思います。
しかし、訪問介護は経営が大変です。
人手不足と人件費の高騰、人を確保するための費用の高騰が経営を圧迫しています。
「こんなことなら雇われていた方が楽だった。」と言われる経営者の方もおられますが、
ある一定の売り上げを確保できなければ、その通りなんです。
東京商工リサーチで、2019年の介護会社の倒産は111件です。
そのうち58件は、訪問介護です。ディサービスは32件です。
これは今回のコロナ禍前の現象ですが、倒産の原因は人手不足です。
訪問介護の有効求人倍率は13倍です。
介護業界の有効求人倍率は4倍です。
どうしてこんなことになるかというと、
訪問介護のヘルパーさんをするには、初任者研修修了者の資格が必要です。
会社は訪問介護のヘルパーさんを育成するのに、お金と時間を掛けなければいけないです。
ディサービスの職員には資格は必要ないです。
地域包括ケアシステムが国の方針です。
地域包括ケアシステムとは、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、
高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、
「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」が切れ目なく一体的に提供される体制のことです。
別の言い方をすれば、介護と医療を連携させて患者を病院に入院させない。
基本自宅で介護をして、お医者さんが患者さんの家に行くのは週に1・2回にして、
それ以外は利用者さんの世話は、訪問介護のヘルパーさんが行います。
つまり医療費が削減されるということです。
介護報酬と医療報酬を比べれば介護報酬の方がずっと安いです。
国は社会保障給付の支出減少を目指しています。
本来ならば、国は訪問介護サービスを維持できないと
医療費の削減を目的とする地域包括ケアシステムが維持されないです。
本当だったら、国は訪問介護の報酬は下げれらないはずなんです。
訪問介護の事業者数は33,515です。
通所介護の事業者数は43,442です。
居宅介護支援の事業者は40,173です。
合計117,130です。
対してコンビニの店舗数は55,310です。
介護事業所が供給過多なのがわかります。
介護サービスというものは、全国どこの事業所に行っても同じサービスと同じ料金です。
横一線の特徴のない会社では、利用者さんも選択しにくく、職員も履歴書を送ってくれないです。
これの意味するところは、
今からの介護会社は、他の介護会社との経営の差別化をしないと生き残れないということです。
これは今後、お客様と一緒に考えていかないといけない課題です。