機動戦士ガンダムSEED Break -5ページ目

「そっか僕に足りなかったものは、この満足感なんだ。」

「ロバート・ラグントン、ナイトメア出るぞ。」
「ロベルト・クーパー出るヨン。」
次々と艦内にいるパイロットが出撃した。
その中でリチャードは躊躇っている。
「怖い。生き残れるのか?」
そういう疑問が頭をよぎる。
しかしリチャードは覚悟を決め、出撃した。
「リチャード・ハリスン、ブレイク行きます。」

そこはすでに戦闘が始まっていた。
黒いMSが何機もいた。

かつての侵入者のパイロットスーツを連想してしまう。

リチャードは何度もビームライフルを打った。

しかし当たらない。

この前にザフトとの戦闘の時は簡単に当たったものだったが。
「成る程一機一機がフリーダムって訳ね。」
ユリウス軍のMSもライフルを打ってきた。

しかしリチャードには一発も当たらない。
「戦闘不能にするだけだから狙ってくる場所が簡単に分かる。」
そうユリウス軍は頭、または武器しか狙わない。
その戦い方を知っているようで他の人も当たらない。
しかし相手はユリウス軍だ。

そんな戦闘慣れている様子だ。

今までバラバラに戦闘していたMSがいきなり連携し始めた。

連携をとり始めたら、いきなり次々と味方が撃墜されていってしまった。

「くそお。」

とロベルトがやられた。

リチャードもギリギリで頭を避けたものの、片腕をやられた。

ロバートの方も同じ様子だった。

「くそ!リチャード、即興だが連携やってみるか?」

という言葉に戸惑ったが、

「やります。」

と言った。


二人はいきなり連携をとり始めた。

それには敵も一瞬驚いた。

しかしユリウス軍はすぐに立て直す。

二人のコンビネーションは即興とは思えないものだった。

だんだん敵の連携が崩れ始め、終いには連携ができなくなった。

「今だ!」

二人は一気にたたみかけた。

連携の崩れた敵はもう驚異ではない。

次々と敵を撃墜し、敵はすっかり全滅した。

「おい、リチャード。なかなかやるじゃねえか。」

「いえ、ロバートさんの援護が良かったんですよ。」

とお互いに顕著だったが、二人ともとても喜んだ。

「そっか僕に足りなかったものは、この満足感なんだ。」

そうリチャードは思った。しかし満足している雰囲気はあるが、決して笑顔ではない。

「まだまだ始まったばかりだからね。しっかりしなきゃ。」

リチャードはそう言い聞かせた。


艦内に着いた二人は拍手喝采だった。

ジョバンニも喜んでいた。

「よくやった。これで私の部隊も良い評価をもらえるぞ。」

しかし、喜んでいたことは、かなりの私情だ。


しばらくしての更衣室でロバートが言った。

「リチャード、まだ喜ぶのは早いぞ・・・・・・。」

かなり深刻そうな顔をしていた。

ロベルトもなにか重ただしい雰囲気を感じて、少し俯いている。

「実はな、今回の戦闘は部隊の指揮官がいなかった。」

その言葉にリチャードは戸惑った。

しかしよく考えれば当然だった。

スターライツが10機だけで、隊長機らしき機体は見当たらなかった。

「まあ指揮官がいたところで、まだ大丈夫かもしれない・・・・・・。」

リチャードはロバートがこれから言いたいことを何となくだが予想した。

「だがな指揮官以上の力を持った、エースがまだいるんだ。」

まさにリチャードの予想通りだった。

パーソナルカラーにしてある機体が見当たらなかったのだから。

だがリチャードは少し安心していたのだ。

だがその安心も次のロバートの言葉で崩れていく。

「エースの力は今日の部隊の100倍は強いかもしれない。」

ロバートの言った言葉はとても冗談には聞こえなかった。

「こんな部隊に手古摺るようじゃ、この先が不安なんだ。」

ロバートはリチャードのほうに向いた。

「だが、今日の君は凄かった。これからの成長次第では、ユリウス軍のエース以上の力を持つかもしれない。頼んだぞ。」

その言葉はリチャードにとって嬉しかった言葉なのか、リチャードは分らない。

しかし自分に期待されているという気分は、「これからも頑張らなくては」という感じだ。

「分りました。」

リチャードは強く言った。

ロバートは少し笑い、

「さあ飯だ。」

と言い、去っていった。

リチャードもその後をついて行く。

「そうか・・・・・・全滅か・・・・・・。」

小狼は少し悲しそうに言った。その顔の右半分を仮面で覆い隠し、銀色の髪、白内障を起こしている瞳。

誰がどう見ても不健康そうな肌。

そんな彼がオーブの軍服を着て立っていた。

「死者の数は?」

小狼は聞いた。

「残念ながら、全員死亡と確認されました。」

その言葉を聞き、彼の瞳は涙ぐんだ。

彼は悲劇を知っている。

だからこそ涙ぐんだ。

「ありがとう。そしてお疲れ様。」

小狼は死んでいった人達の冥福を祈る。

「ケン、これからどうする?」

小狼は隠れていたケンという者に言った。

物陰から現れたのはかつての侵入者だ。
「いつから気が付いてた?」
ケンは小狼に聞いた。
「最初からだ。俺は目が見えない分、他の感覚器官がするどいんだ。分かってるだろ?」
小狼は厳しい顔で言った。
「まったく、子供の遊び心が分からない人なんだから。」
そう言ってケンは拗ねた。
「で次の作戦は?」

小狼はまだ厳しい顔で言った。ケンは少し呆れた顔で次の作戦を話し始めた。
「今度の戦闘はザフトと連合の戦闘妨害。」
最後の方はかなり不機嫌そうな顔で言った。
しかし小狼は笑いながら作戦を聞いた。

夕食を済ませたリチャードは部屋に戻り、さっさと寝てしまった。

掃除をずっとした後にすぐ戦闘だったのだ。

仕方がない。
翌朝起きると掃除した筈の部屋がすっかり変わり果てていた。
「あぁ、おはようリチャード。わりぃ、少し部屋が散らかっちまった。」
そう言っているものの、この部屋は掃除する前より酷くなっていた。

ジョバンニにリチャードは涙を流しながら言った。
「部屋を変えて下さい。」と。